化学その12 - 大阪大学掲示板
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350名前を書き忘れた受験生
2023/06/09 11:35
>>349
正しい知識を匿名掲示板から得ようとするのに、まず無理がありますね。
答えられる人がいても答える義務もないですし。
人に頼っている時点でロクな大学に合格しないでしょう。
そもそも、ここで説明がないと、書き込んでいる人は、阪大が出題ミスをしているという認識を改めていません。
コピペであろうが、正しい説明を理解する気がないようです。
そのような姿勢なので、不合格だったんでしょう。
柔軟な思考とはほど遠いですから。
あなたも同じ匂いがします。
来年不合格にならなければ良いですね。
6pt
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>>349
正しい知識を匿名掲示板から得ようとするのに、まず無理がありますね。
答えられる人がいても答える義務もないですし。
人に頼っている時点でロクな大学に合格しないでしょう。
そもそも、ここで説明がないと、書き込んでいる人は、阪大が出題ミスをしているという認識を改めていません。
コピペであろうが、正しい説明を理解する気がないようです。
そのような姿勢なので、不合格だったんでしょう。
柔軟な思考とはほど遠いですから。
あなたも同じ匂いがします。
来年不合格にならなければ良いですね。


348名前を書き忘れた受験生
2023/06/09 04:51
>>343
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
30pt
0pt

>>343
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)


340名前を書き忘れた受験生
2023/06/08 13:31
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
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Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
23pt
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東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)


335名前を書き忘れた受験生
2023/06/08 10:22
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだ!って煽るから、アホな受験生がそれを信じて被害者ヅラ。
「出題ミスのせいで不合格になった」とかよく言うわ。
完全に実力不足やろ。
「説明ない」って言ってる奴は「私はアホです」って言ってるのと同じ。
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YouTubeでバカな奴らが出題ミスだ!って煽るから、アホな受験生がそれを信じて被害者ヅラ。
「出題ミスのせいで不合格になった」とかよく言うわ。
完全に実力不足やろ。
「説明ない」って言ってる奴は「私はアホです」って言ってるのと同じ。


333名前を書き忘れた受験生
2023/06/08 10:04
これだけ丁寧に解説してくれている人がいるんだから、出題ミスではないですね。
説明がないと書き込んでいる人は難癖つけてるだけです。
関西風に言うと、イチャモンつけてるだけ。
おそらく不合格だった事を認めたくないんでしょう。
チンピラみたいな事はやめましょう。
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これだけ丁寧に解説してくれている人がいるんだから、出題ミスではないですね。
説明がないと書き込んでいる人は難癖つけてるだけです。
関西風に言うと、イチャモンつけてるだけ。
おそらく不合格だった事を認めたくないんでしょう。
チンピラみたいな事はやめましょう。


332名前を書き忘れた受験生
2023/06/08 10:01
>>331
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
12pt
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>>331
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)


331名前を書き忘れた受験生
2023/06/08 10:00
>>327
きちんと対応していて誠実さが感じられる。
この事から考えても、化学は出題ミスではなかった事がわかる。
出題ミスなら対応されてるはずだから。
14pt
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>>327
きちんと対応していて誠実さが感じられる。
この事から考えても、化学は出題ミスではなかった事がわかる。
出題ミスなら対応されてるはずだから。


327名前を書き忘れた受験生
2023/06/08 08:49
2022年6月10日
大阪大学は、今年度の地理の入試問題で誤りがあったとして、新たに1人を合格者にしたと発表しました。
大阪大学によると、今年度の前期日程の入試問題のうち、地理歴史の出題で誤りがあったことを発表しました。
大学によると、国際観光客についての問題で、データの引用やグラフの作成に誤りがあったということです。
来年度の問題を準備するため、過去の問題の点検中に発覚し、学外からも指摘があったということです。
大学はこの問題を満点として採点し直し、文学部を受験していた1人を新たに合格者としました。
大阪大学の西尾総長は、「合格者の進路に極めて大きな影響を及ぼす事態で深く反省するとともに、お詫びを申し上げます」とコメントし、合格者の意向に沿って対応していきたいとしています。
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2022年6月10日
大阪大学は、今年度の地理の入試問題で誤りがあったとして、新たに1人を合格者にしたと発表しました。
大阪大学によると、今年度の前期日程の入試問題のうち、地理歴史の出題で誤りがあったことを発表しました。
大学によると、国際観光客についての問題で、データの引用やグラフの作成に誤りがあったということです。
来年度の問題を準備するため、過去の問題の点検中に発覚し、学外からも指摘があったということです。
大学はこの問題を満点として採点し直し、文学部を受験していた1人を新たに合格者としました。
大阪大学の西尾総長は、「合格者の進路に極めて大きな影響を及ぼす事態で深く反省するとともに、お詫びを申し上げます」とコメントし、合格者の意向に沿って対応していきたいとしています。


324名前を書き忘れた受験生
2023/06/08 08:19
>>323
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
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>>323
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
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Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)


322名前を書き忘れた受験生
2023/06/08 08:19
>>321
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
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Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
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>>321
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2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
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Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
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320名前を書き忘れた受験生
2023/06/08 08:19
>>319
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
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2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
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経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
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以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)


318名前を書き忘れた受験生
2023/06/08 08:18
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以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
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Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
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>>317
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
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Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)


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