化学その12 - 大阪大学掲示板
【広告】●阪大合格を目指す受験生募集!
【広告】●【阪大生募集】塾講師・家庭教師のアルバイト
【広告】●阪大合格を目指す受験生募集!
【広告】●【阪大生募集】塾講師・家庭教師のアルバイト
21名前を書き忘れた受験生 2023/04/16 18:50
>>17
そんな事ありません。
真面目に質問したら丁寧に答えてくれます。
誰かが、あの化学の入試問題納得いかなかったよね、
説明もないよねと伝え続けるのも意義があると思います。
>>17
そんな事ありません。
真面目に質問したら丁寧に答えてくれます。
誰かが、あの化学の入試問題納得いかなかったよね、
説明もないよねと伝え続けるのも意義があると思います。
10pt
2pt
27名前を書き忘れた受験生 2023/04/19 00:27
説明ない
毎年入試課は人員が入れ替わるはずですし、過去の化学スレ見てくれたら阪大の委員会に連絡しても梨の礫に近い状態であることは明らかです。ここでの説明ないという言葉は阪大だけに訴えかけているものでも無いです。
説明ない
毎年入試課は人員が入れ替わるはずですし、過去の化学スレ見てくれたら阪大の委員会に連絡しても梨の礫に近い状態であることは明らかです。ここでの説明ないという言葉は阪大だけに訴えかけているものでも無いです。
4858pt
0pt
29名前を書き忘れた受験生 2023/04/19 08:20
>>27
行動しなくっちゃ
待ってるだけでは納得できないし、進展しないよ
聞きに行ったら納得できると思うよ
理解出来たらの話だけどね
>>27
行動しなくっちゃ
待ってるだけでは納得できないし、進展しないよ
聞きに行ったら納得できると思うよ
理解出来たらの話だけどね
18pt
0pt
32名前を書き忘れた受験生 2023/04/19 17:20
そもそも私は当事者ではあるが、かと言って私だけが"納得出来る"説明を受けたとして、私以外になんの影響があるでしょうか。しかも、私はこの大門がなくても十分合否が決まることが分かっていましたので私はある意味当事者では無いのかもしれない。
ただ、この悪問を忘れることは怖い。あなたの言う説明は、大学と私が対話することなのでしょうが、こちらは異なるということをお認めいただきたい。
そもそも私は当事者ではあるが、かと言って私だけが"納得出来る"説明を受けたとして、私以外になんの影響があるでしょうか。しかも、私はこの大門がなくても十分合否が決まることが分かっていましたので私はある意味当事者では無いのかもしれない。
ただ、この悪問を忘れることは怖い。あなたの言う説明は、大学と私が対話することなのでしょうが、こちらは異なるということをお認めいただきたい。
76pt
102pt
33名前を書き忘れた受験生 2023/04/19 21:28
>>32
貴方が説明を聞きに行き、納得出来ない部分を公表すべきである。
只々、馬鹿の一つ覚えのように「説明ない」を連呼し続けても何も変わらない。
この一年、連呼し続けて、何か変わりましたか?
阪大がこの掲示板を見ていることもなく、見たとしても相手にしていないでしょ。
この問題に納得していない有志が入試課へ問い合わせ、個別に答えている事を世間に公表すよう訴えるべきである。
貴方はそこまで出来ますか?
ここで連呼するだけで満足!そこまで真剣でない!のであれば、貴方も阪大と変わりないと言うことですね。
>>32
貴方が説明を聞きに行き、納得出来ない部分を公表すべきである。
只々、馬鹿の一つ覚えのように「説明ない」を連呼し続けても何も変わらない。
この一年、連呼し続けて、何か変わりましたか?
阪大がこの掲示板を見ていることもなく、見たとしても相手にしていないでしょ。
この問題に納得していない有志が入試課へ問い合わせ、個別に答えている事を世間に公表すよう訴えるべきである。
貴方はそこまで出来ますか?
ここで連呼するだけで満足!そこまで真剣でない!のであれば、貴方も阪大と変わりないと言うことですね。
41pt
21pt
34名前を書き忘れた受験生 2023/04/19 21:37
>>32
阪大生か
大学に直接言えば目を付けられるからネット上だけで文句か
京大生は直接言い、裁判もしているが...
阪大生の力を見せてくれ!!
>>32
阪大生か
大学に直接言えば目を付けられるからネット上だけで文句か
京大生は直接言い、裁判もしているが...
阪大生の力を見せてくれ!!
48pt
20pt
35名前を書き忘れた受験生 2023/04/20 00:11
この化学スレの序盤で繰り返した議論に重なって見えます。誰も阪大に訴えかけることはなく、ただ人を急かして人に行動させようとする。
この化学スレの序盤で繰り返した議論に重なって見えます。誰も阪大に訴えかけることはなく、ただ人を急かして人に行動させようとする。
21pt
21pt
36名前を書き忘れた受験生 2023/04/20 19:41
ここで"説明ないマン"に文句言ってる人ってどんな人?
化学のせいで落ちたって言ってるけど直接戦う勇気も無いから他人に戦わせようとしてる人?
ここで"説明ないマン"に文句言ってる人ってどんな人?
化学のせいで落ちたって言ってるけど直接戦う勇気も無いから他人に戦わせようとしてる人?
15pt
0pt
38現役生 2023/04/21 08:32
>>36
”化学のせいで落ちた”だけでは無いと思うよ。
受かった人もいるが、ここに来てる人は当局に直接言えないから掲示板を利用しているだけでしょ。
「説明ない」のYESの数値が何百何千と付くことで救われているんだよ。
文句は言いたいが、自身は直接関わりたくない かな?
>>36
”化学のせいで落ちた”だけでは無いと思うよ。
受かった人もいるが、ここに来てる人は当局に直接言えないから掲示板を利用しているだけでしょ。
「説明ない」のYESの数値が何百何千と付くことで救われているんだよ。
文句は言いたいが、自身は直接関わりたくない かな?
241pt
528pt
46名前を書き忘れた受験生 2023/04/26 14:41
>>44
なぜ?
阪大生が阪大の姿勢を問うのは意義のあることだと思う。
自分は合格したから疑義があっても、声を上げないという人よりよっぽど良い。
落ちた人が悔しくてやっていても、結局は負け犬の遠吠えと一蹴される。
>>44
なぜ?
阪大生が阪大の姿勢を問うのは意義のあることだと思う。
自分は合格したから疑義があっても、声を上げないという人よりよっぽど良い。
落ちた人が悔しくてやっていても、結局は負け犬の遠吠えと一蹴される。
364pt
0pt
49名前を書き忘れた受験生 2023/04/26 22:57
>>48
人が信念を持ってやってる事をそんな風に言う必要はないと思う。
同じ阪大生として、阪大の姿勢を問い続ける阪大生がいても良いと思っている。
嫌な人はこのスレを見なければ良いだけの話。
>>48
人が信念を持ってやってる事をそんな風に言う必要はないと思う。
同じ阪大生として、阪大の姿勢を問い続ける阪大生がいても良いと思っている。
嫌な人はこのスレを見なければ良いだけの話。
1410pt
9pt
50名前を書き忘れた受験生 2023/04/29 07:04
>>49ただ毎日説明ないだけ繰り返してるだけの行動が信念持ってんのかなただの習慣になってるだけに見えるけど 抗議したいなら、掲示板使わないで別の手段考えた方がいいよ スレ見なければいいって、そんなわけにもいかんでしょ 受験生だって見てんだから、有益な話聞きたいよね
>>49ただ毎日説明ないだけ繰り返してるだけの行動が信念持ってんのかなただの習慣になってるだけに見えるけど 抗議したいなら、掲示板使わないで別の手段考えた方がいいよ スレ見なければいいって、そんなわけにもいかんでしょ 受験生だって見てんだから、有益な話聞きたいよね
0pt
136pt
63名前を書き忘れた受験生 2023/05/07 23:42
>>50
抗議の仕方は人それぞれ。
ガンジーのように非暴力不服従で抗議を示してる人もいたし。
どんなやり方でもそれにケチをつけたり、キモとか悪口書いてる人間の方がどうかと思うわ。
>>50
抗議の仕方は人それぞれ。
ガンジーのように非暴力不服従で抗議を示してる人もいたし。
どんなやり方でもそれにケチをつけたり、キモとか悪口書いてる人間の方がどうかと思うわ。
782pt
0pt
70名前を書き忘れた受験生 2023/05/10 10:39
>>67
こんな事を書く人って何にもわかってない。
世界中、様々な事にいろいろな形で抗議してる人がいる。
すぐに結果が出る抗議もあれば、何十年も抗議し続けてやっと声が届く場合もある。
同じ阪大生として、理由があり信念を持って大学に抗議する姿勢がある人は応援したい。
と言っても、ただ見守ってるだけなんだけど。
少なくとも、悪く言う人の気が知れない。
>>67
こんな事を書く人って何にもわかってない。
世界中、様々な事にいろいろな形で抗議してる人がいる。
すぐに結果が出る抗議もあれば、何十年も抗議し続けてやっと声が届く場合もある。
同じ阪大生として、理由があり信念を持って大学に抗議する姿勢がある人は応援したい。
と言っても、ただ見守ってるだけなんだけど。
少なくとも、悪く言う人の気が知れない。
78pt
5pt
73名前を書き忘れた受験生 2023/05/11 10:16
【阪大の説明】
本学としましては、本学入試委員会の下に設置している入試問題の出題内容等に関する検証を行う組織で慎重に検討をし、当該検討を踏まえて、公表しております解答例に従って採点・合否判定を行っております。
なお、この件については採点の見直しは行いません。
【阪大の説明】
本学としましては、本学入試委員会の下に設置している入試問題の出題内容等に関する検証を行う組織で慎重に検討をし、当該検討を踏まえて、公表しております解答例に従って採点・合否判定を行っております。
なお、この件については採点の見直しは行いません。
4pt
0pt
81名前を書き忘れた受験生 2023/05/15 09:21
>>80
無関心ではないですが、こんなことで目を付けられるのはイヤです。
頑張って大学に入ったから、平穏に卒業を迎えたいです。
みんな同じでしょ?
>>80
無関心ではないですが、こんなことで目を付けられるのはイヤです。
頑張って大学に入ったから、平穏に卒業を迎えたいです。
みんな同じでしょ?
11pt
0pt
82名前を書き忘れた受験生 2023/05/15 09:21
>>80
落ちてるって
しかも化学の得点にに関係なく落ちてるって
通ってるのにこんな粘着質1年以上続けるのありえないでしょ
同級生がこんなの続けてたら引くよね
>>80
落ちてるって
しかも化学の得点にに関係なく落ちてるって
通ってるのにこんな粘着質1年以上続けるのありえないでしょ
同級生がこんなの続けてたら引くよね
299pt
40pt
94名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 09:05
>>90
ハム大???
どのレベルの大学、出しとんねんww
国の戦略指定国立の旧帝理系阪大からしたらハム大なんか眼中にないわw
ハム大はまず神大に追いつくこと考ろw
>>90
ハム大???
どのレベルの大学、出しとんねんww
国の戦略指定国立の旧帝理系阪大からしたらハム大なんか眼中にないわw
ハム大はまず神大に追いつくこと考ろw
17pt
2pt
99名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 11:12
他の掲示板で他大学を馬鹿にするような発言をする人がいるのを見て、嫌な気分になっていました。
旧帝大の在学生は、決してそのような発言はしないと思っていたのですが......
阪大生でも同じように馬鹿にするような発言をする人がいるんですね。
受験生の一人として、非常に残念に思います。
同じような思いをしている人は、きっと多いと思います。
目指す者の立場としたら、阪大生の鏡となるような発言をしてほしいと願っています。
他の掲示板で他大学を馬鹿にするような発言をする人がいるのを見て、嫌な気分になっていました。
旧帝大の在学生は、決してそのような発言はしないと思っていたのですが......
阪大生でも同じように馬鹿にするような発言をする人がいるんですね。
受験生の一人として、非常に残念に思います。
同じような思いをしている人は、きっと多いと思います。
目指す者の立場としたら、阪大生の鏡となるような発言をしてほしいと願っています。
24pt
55pt
100名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 11:36
>>99
極々僅かな学生の発言であり、ほとんどの阪大生は他を蔑む発言はしませんよ。
学ぶ環境も良いですし、良い仲間も沢山出来ます!
これからの阪大を目指して、頑張ってください!
お待ちしてます。
>>99
極々僅かな学生の発言であり、ほとんどの阪大生は他を蔑む発言はしませんよ。
学ぶ環境も良いですし、良い仲間も沢山出来ます!
これからの阪大を目指して、頑張ってください!
お待ちしてます。
0pt
0pt
105名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 14:37
>>99
というか、先に難癖つけてきて店はハム大の方なのに、
何言ってんだか。
実際に、阪大の方がレベル高いのは事実。
それが全て。
>>99
というか、先に難癖つけてきて店はハム大の方なのに、
何言ってんだか。
実際に、阪大の方がレベル高いのは事実。
それが全て。
0pt
0pt
106名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 14:39
>>99
じゃハム大目指せよ
阪大理系は旧帝大理系、レベルが違うのは当然のこと
阪大目指してても合格するかどうかわからんやろ
>>99
じゃハム大目指せよ
阪大理系は旧帝大理系、レベルが違うのは当然のこと
阪大目指してても合格するかどうかわからんやろ
0pt
0pt
109名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 14:44
>>104
阪大がハム大より社会的に格上なのは間違いない
視野が狭いのはどっち?w
笑うわww
はよ、自分の大学の掲示板帰れww
>>104
阪大がハム大より社会的に格上なのは間違いない
視野が狭いのはどっち?w
笑うわww
はよ、自分の大学の掲示板帰れww
0pt
0pt
110名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 14:47
絶対評価として
京大>阪大>神大>ハム大なんだから、
ハムが阪大スレにやってきて、
難癖つけるってどういうつもり?
身の程知らず?
絶対評価として
京大>阪大>神大>ハム大なんだから、
ハムが阪大スレにやってきて、
難癖つけるってどういうつもり?
身の程知らず?
0pt
0pt
120名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 15:05
理系の友達が前期京大、中期ハム大、後期九大受験して、
京大残念でハム大と九大には合格した。
迷わず九大選んでた。
旧帝大理系は研究内容もレベルも全然違う。
だから九大に行くと。
なんか勘違いしてるハム大の人がこのスレに
紛れ込んでて草
理系の友達が前期京大、中期ハム大、後期九大受験して、
京大残念でハム大と九大には合格した。
迷わず九大選んでた。
旧帝大理系は研究内容もレベルも全然違う。
だから九大に行くと。
なんか勘違いしてるハム大の人がこのスレに
紛れ込んでて草
5pt
0pt
121名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 15:06
>>119
学部によるけど、多分あなたより偏差値は上だと思います。
某市立大学の4年生で、院に進学予定です。
来年は院生になれてたらいいなw
でわでわ、本当に退散!
>>119
学部によるけど、多分あなたより偏差値は上だと思います。
某市立大学の4年生で、院に進学予定です。
来年は院生になれてたらいいなw
でわでわ、本当に退散!
0pt
0pt
124名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 15:11
理系の友達が前期京大、中期ハム大、後期九大受験して、
京大残念でハム大と九大には合格した。
迷わず九大選んでた。
旧帝大理系は研究内容もレベルも全然違う。
だから九大に行くと。
なんか勘違いしてるハム大の人がこのスレに
紛れ込んでて草
理系の友達が前期京大、中期ハム大、後期九大受験して、
京大残念でハム大と九大には合格した。
迷わず九大選んでた。
旧帝大理系は研究内容もレベルも全然違う。
だから九大に行くと。
なんか勘違いしてるハム大の人がこのスレに
紛れ込んでて草
0pt
0pt
125名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 15:16
>>121
院生になる?
日本語不自由そうやけど?
私大やからなれるんか、納得。
あと、私大と国公立の偏差値比べてるけど、
それバカ丸出しやで。
偏差値の意味を全く理解してない人間の証明。
Fラン私大生は黙っとかないとボロ出まくりやで www
>>121
院生になる?
日本語不自由そうやけど?
私大やからなれるんか、納得。
あと、私大と国公立の偏差値比べてるけど、
それバカ丸出しやで。
偏差値の意味を全く理解してない人間の証明。
Fラン私大生は黙っとかないとボロ出まくりやで www
0pt
0pt
133名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 15:39
昨年の出題ミス(複数正解)について、
「本学としましては、本学入試委員会の下に設置している入試問題の出題内容等に関する検証を行う組織で慎重に検討をし、当該検討を踏まえて、公表しております解答例に従って採点・合否判定を行っております。
なお、この件については採点の見直しは行いません。」と、
正式に説明していますが、皆さんはどう思われますか?
昨年の出題ミス(複数正解)について、
「本学としましては、本学入試委員会の下に設置している入試問題の出題内容等に関する検証を行う組織で慎重に検討をし、当該検討を踏まえて、公表しております解答例に従って採点・合否判定を行っております。
なお、この件については採点の見直しは行いません。」と、
正式に説明していますが、皆さんはどう思われますか?
0pt
0pt
137名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 16:34
>>136
納得は出来ないですよね。
数年前のように全員正解とし、それでも合格点に届かなかった場合は納得できると思いますが...
二度とこのような失態を繰り返さないでほしいです。
>>136
納得は出来ないですよね。
数年前のように全員正解とし、それでも合格点に届かなかった場合は納得できると思いますが...
二度とこのような失態を繰り返さないでほしいです。
492pt
0pt
138名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 16:41
>>135
難しいからダンマリ?
そんなわけないやろ。
自分は今年、現役で阪大に合格したから
直接その問題を入試で解いたわけじゃない。
だから実際に入試でその問題に取り組んだ人を差し置いて
発言する権利はないと思ってる。
ただ、抗議したい気持ちや姿勢はわかるから、
応援したいと思ってるだけ。
>>135
難しいからダンマリ?
そんなわけないやろ。
自分は今年、現役で阪大に合格したから
直接その問題を入試で解いたわけじゃない。
だから実際に入試でその問題に取り組んだ人を差し置いて
発言する権利はないと思ってる。
ただ、抗議したい気持ちや姿勢はわかるから、
応援したいと思ってるだけ。
105pt
8pt
139名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 16:47
>>137
部分点もなしやったん?
今年の物理も何の足しにもならんヒントがついてたけど
あれってどうなんやろ。
難しい問題作りすぎたからとりあえずヒントつけておこう
って感じやったんかなと思ったり。
>>137
部分点もなしやったん?
今年の物理も何の足しにもならんヒントがついてたけど
あれってどうなんやろ。
難しい問題作りすぎたからとりあえずヒントつけておこう
って感じやったんかなと思ったり。
6pt
0pt
141名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 17:02
>>138
発言する権利はあると思います。
過去に発生した数々の出題ミスに関しては、当事者はもとより外部からの度々の指摘によってミスを見てめています。
この問題の件で何人の受験生が合格していたかはわかりませんか、ミスはミスと認めるべきだと思います。
当時の受験生が、「納得いかないけど、そういう大学なんだなと思います。」と発言されています。
このような事が二度と起きないように、みんなが議論すべきではないでしょうか。
>>138
発言する権利はあると思います。
過去に発生した数々の出題ミスに関しては、当事者はもとより外部からの度々の指摘によってミスを見てめています。
この問題の件で何人の受験生が合格していたかはわかりませんか、ミスはミスと認めるべきだと思います。
当時の受験生が、「納得いかないけど、そういう大学なんだなと思います。」と発言されています。
このような事が二度と起きないように、みんなが議論すべきではないでしょうか。
475pt
3pt
143名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 17:09
>>140
そんな簡単な事では済ませれないんですよ。
違う大学に入学されてるかもしれないし、浪人していたら予備校に行っているかもしてない
どっちにしても、大金が発生してるんですよ。
>>140
そんな簡単な事では済ませれないんですよ。
違う大学に入学されてるかもしれないし、浪人していたら予備校に行っているかもしてない
どっちにしても、大金が発生してるんですよ。
107pt
1pt
144名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 17:15
>>142
どのようにして採点されたのか知らないので質問!
答えが二つあったなら、どちらの答えを書いた人も正解になったのか?
どちらの答えも書けなかった人だけが配点ゼロとなったのか?
>>142
どのようにして採点されたのか知らないので質問!
答えが二つあったなら、どちらの答えを書いた人も正解になったのか?
どちらの答えも書けなかった人だけが配点ゼロとなったのか?
0pt
0pt
146名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 17:21
化学の出題ミスだと主張している部分の配点って、
おそらく数点の話やん
それで不合格になるぐらいの点数しか取れてない事が
問題やと思うねん。
化学の出題ミスだと主張している部分の配点って、
おそらく数点の話やん
それで不合格になるぐらいの点数しか取れてない事が
問題やと思うねん。
8pt
66pt
147名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 21:42
その問題は数点だが、答えを導くために時間を要する。
答えが2つ出てくれば、そんなハズはないと再度考える。
他の問題に影響が出た人もいただろうし、違う影響が出た人もいたと思う。
この件に関していろんな人が関心をもっていただけることに意味があります。
どんな意見にしろ、カキコに感謝です。
その問題は数点だが、答えを導くために時間を要する。
答えが2つ出てくれば、そんなハズはないと再度考える。
他の問題に影響が出た人もいただろうし、違う影響が出た人もいたと思う。
この件に関していろんな人が関心をもっていただけることに意味があります。
どんな意見にしろ、カキコに感謝です。
83pt
6pt
149名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 21:53
>>144
その通りです。
阪大の回答例は、「C12H16O2およびC18H24O3のどちらか一つ、あるいは両方併記のいずれも正解」
と記している。
>>144
その通りです。
阪大の回答例は、「C12H16O2およびC18H24O3のどちらか一つ、あるいは両方併記のいずれも正解」
と記している。
0pt
0pt
150名前を書き忘れた受験生 2023/05/17 22:08
出題ミスの可能性があるとされているのは、大問3の有機化学の問題で、いくつかの条件から化合物の構造を特定し、それを回答する、いわゆる構造決定問題と呼ばれる問題なのだが、これが条件不足のために構造を決定できないというもの。
問題文の2行目には、「これらの分子の構造を決定するために,以下の操作を行った。」とあるにも関わらず、問題文のすべての条件を駆使しても、条件不足のために構造を決定することができないため、矛盾が生じており、問題が成立していない。
予備校等の解答速報では、問題を解く側が自主的に問題文にない条件を付け加えて、解答の一例として掲載しているが、駿台予備学校の解答速報と合わせて公開される問題分析には「化合物Aの分子量は300以下と与えられていたが,200以下の間違いだろう。」と条件設定の不備の可能性が指摘されている。
今回の出題ミスがこれまでの出題ミスと比べて、特段に重大なのは、化学全体の配点の約4分の1に影響を与えることと、構造決定問題の特性のために、受験生が時間をかけたのに白紙という事態を招きやすいことである。
構造決定問題において構造式を書かせる問題では、「考えられる構造式をすべて示せ」といった特段の断りがない限りその化合物の構造を1種類に決定できることが前提である。
その根拠として過去の大阪大学の入試問題においても、記載の条件だけでは複数の構造が考えられる場合には、「すべて記せ」と断りが入れられている。
受験生は問題の条件不足のために、考えられる構造が複数残った場合でも構造を1つに絞れるはずだと考え、実際には存在しない条件を探しまわり、最終的に自分に読み落としがあるのではないか、自分の知識不足と判断して、その問題を白紙で捨てることになり、ただでさえ厳しい阪大理科の解答時間だけを失うといった結果を招いた受験生がいることは想像に難くない。
構造決定問題は、白紙または完答といったところがあり、ある意味賭けのようなところがあるので、時間をかけたにも関わらず、構造を絞り込めず白紙のまま次の大問へ行かざるおえないという状況の精神的なダメージはかなりのものだったと思う。
結果的に各予備校の解答速報などに掲載された解答(回答者が「炭素数12」という、問題にない条件を付け加えた場合)は、ただ考えられる構造のうちの1つでしかなく、他の考えられる構造を排除して、その構造を回答欄に書く科学的根拠は一切ないといえる。
もしこれが解答として採点された場合、白紙で提出した正しい考察をした受験生があまりにも不公平だと思う。
他にも、有機化学の構造決定が得意だから完答したかったのに、大問3を解いてる内に異変に気づき、出題ミスに気づいて捨てた人や大問3の最初の問1(リード文の条件と元素分析の条件から、分子式を求める問題)で、解が1通りに定まらないために、貴重な試験時間をかけて何度も計算しなおした人もいたかもしれない。
阪大を合格するために受けている受験生の中に、例年有機化学の大問3を何も触らずに、最初から捨てている人なんていないのではないだろうか。
公平に採点することは叶わないのがとても残念であるが、最終的に考えられる構造のうちの1つ(炭素数12であれ、18であれ)を書いた人も、1種類に絞り込めず白紙で提出した人も、大問3には時間をかけている訳だし、そもそも、構造を決定できない構造決定問題は問題として破綻していると思う。
出題ミスの可能性があるとされているのは、大問3の有機化学の問題で、いくつかの条件から化合物の構造を特定し、それを回答する、いわゆる構造決定問題と呼ばれる問題なのだが、これが条件不足のために構造を決定できないというもの。
問題文の2行目には、「これらの分子の構造を決定するために,以下の操作を行った。」とあるにも関わらず、問題文のすべての条件を駆使しても、条件不足のために構造を決定することができないため、矛盾が生じており、問題が成立していない。
予備校等の解答速報では、問題を解く側が自主的に問題文にない条件を付け加えて、解答の一例として掲載しているが、駿台予備学校の解答速報と合わせて公開される問題分析には「化合物Aの分子量は300以下と与えられていたが,200以下の間違いだろう。」と条件設定の不備の可能性が指摘されている。
今回の出題ミスがこれまでの出題ミスと比べて、特段に重大なのは、化学全体の配点の約4分の1に影響を与えることと、構造決定問題の特性のために、受験生が時間をかけたのに白紙という事態を招きやすいことである。
構造決定問題において構造式を書かせる問題では、「考えられる構造式をすべて示せ」といった特段の断りがない限りその化合物の構造を1種類に決定できることが前提である。
その根拠として過去の大阪大学の入試問題においても、記載の条件だけでは複数の構造が考えられる場合には、「すべて記せ」と断りが入れられている。
受験生は問題の条件不足のために、考えられる構造が複数残った場合でも構造を1つに絞れるはずだと考え、実際には存在しない条件を探しまわり、最終的に自分に読み落としがあるのではないか、自分の知識不足と判断して、その問題を白紙で捨てることになり、ただでさえ厳しい阪大理科の解答時間だけを失うといった結果を招いた受験生がいることは想像に難くない。
構造決定問題は、白紙または完答といったところがあり、ある意味賭けのようなところがあるので、時間をかけたにも関わらず、構造を絞り込めず白紙のまま次の大問へ行かざるおえないという状況の精神的なダメージはかなりのものだったと思う。
結果的に各予備校の解答速報などに掲載された解答(回答者が「炭素数12」という、問題にない条件を付け加えた場合)は、ただ考えられる構造のうちの1つでしかなく、他の考えられる構造を排除して、その構造を回答欄に書く科学的根拠は一切ないといえる。
もしこれが解答として採点された場合、白紙で提出した正しい考察をした受験生があまりにも不公平だと思う。
他にも、有機化学の構造決定が得意だから完答したかったのに、大問3を解いてる内に異変に気づき、出題ミスに気づいて捨てた人や大問3の最初の問1(リード文の条件と元素分析の条件から、分子式を求める問題)で、解が1通りに定まらないために、貴重な試験時間をかけて何度も計算しなおした人もいたかもしれない。
阪大を合格するために受けている受験生の中に、例年有機化学の大問3を何も触らずに、最初から捨てている人なんていないのではないだろうか。
公平に採点することは叶わないのがとても残念であるが、最終的に考えられる構造のうちの1つ(炭素数12であれ、18であれ)を書いた人も、1種類に絞り込めず白紙で提出した人も、大問3には時間をかけている訳だし、そもそも、構造を決定できない構造決定問題は問題として破綻していると思う。
2102pt
0pt
155名前を書き忘れた受験生 2023/05/18 17:43
>>148
そうならないために、わずか数点で自分の人生が左右される事がないように、戦略を立てる事が重要やねん。
確かに問題に不備があり、そのために時間を費やした挙句、白紙解答になってしまった人もいたと思う。
そのせいで化学がボロボロ最悪状態になった人もいたかも知れん。
でも、それで不合格になったのは阪大のせい
っていうのはちょっと違うかなと。
>>148
そうならないために、わずか数点で自分の人生が左右される事がないように、戦略を立てる事が重要やねん。
確かに問題に不備があり、そのために時間を費やした挙句、白紙解答になってしまった人もいたと思う。
そのせいで化学がボロボロ最悪状態になった人もいたかも知れん。
でも、それで不合格になったのは阪大のせい
っていうのはちょっと違うかなと。
128pt
238pt
156名前を書き忘れた受験生 2023/05/18 20:37
>>155
はあ?
「不合格になったのは阪大のせい」なんて誰も言ってないでしょ!
ミスはミスで認めろ!!って事でしょ
>>155
はあ?
「不合格になったのは阪大のせい」なんて誰も言ってないでしょ!
ミスはミスで認めろ!!って事でしょ
1603pt
0pt
157名前を書き忘れた受験生 2023/05/18 20:43
>>155
貴方は「大問3 有機化学の問題」をどう解釈して、どう解答しますか?
貴方にとっては簡単なのでしょうね。
解けなかった受験生の知識不足・努力不足なのでしょうか?
合格した人も、この件は納得していません!
>>155
貴方は「大問3 有機化学の問題」をどう解釈して、どう解答しますか?
貴方にとっては簡単なのでしょうね。
解けなかった受験生の知識不足・努力不足なのでしょうか?
合格した人も、この件は納得していません!
144pt
13pt
163名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 06:51
>>156
阪大はミスとして考えていないから認める事はないってことなんやろな。
ミスはミスと認めろ=それで不合格になった人間を合格させろってことちゃうん?
>>156
阪大はミスとして考えていないから認める事はないってことなんやろな。
ミスはミスと認めろ=それで不合格になった人間を合格させろってことちゃうん?
2pt
1pt
164名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 07:22
>>158
ある意味、受験生にとって公平やん?
1 答え二つある、とりあえず二つ書いとこう
2 答え二つある、おかしいな、一つだけ書いとこう
3 答え二つある、おかしいな、答えが書けない
4 答えにたどりつけない、答えが書けない
1と2は正解で3と4は不正解にされたってことやろ
それって公平じゃない?
問題に不備があるから全員正解にして欲しかったって書いてた人がいたけど、そんなん、正解に辿りついて解答した人にとっては不公平やん。
頑張って正解に辿りついたのに、解答してる人もしてない人も点数もらえたら、それこそ自分が頑張ったことは何なん?ってなると思う。
3の人だけが不公平を訴える事ができるけど、入試やで?
1点差で合否が決まる世界やのに、なんでせっかく出した答え書かへんねん?
結局は自己判断で書かへんかったんやろ。
それで点数がないのは仕方ない。
自分やったら、おかしいなと思いつつも、一つだけ答え書く。
それと、この問題で時間を取られて他の問題にも影響が出たって書いてた人がいたけど、それも結局は自己判断の世界やん。
何のために過去問やってんねん
時間配分のためやろ
無駄に時間過ぎたら、やばいってならん?
これは捨て問にして他で1点でも多く取ろうとするのが戦略やろ。
>>158
ある意味、受験生にとって公平やん?
1 答え二つある、とりあえず二つ書いとこう
2 答え二つある、おかしいな、一つだけ書いとこう
3 答え二つある、おかしいな、答えが書けない
4 答えにたどりつけない、答えが書けない
1と2は正解で3と4は不正解にされたってことやろ
それって公平じゃない?
問題に不備があるから全員正解にして欲しかったって書いてた人がいたけど、そんなん、正解に辿りついて解答した人にとっては不公平やん。
頑張って正解に辿りついたのに、解答してる人もしてない人も点数もらえたら、それこそ自分が頑張ったことは何なん?ってなると思う。
3の人だけが不公平を訴える事ができるけど、入試やで?
1点差で合否が決まる世界やのに、なんでせっかく出した答え書かへんねん?
結局は自己判断で書かへんかったんやろ。
それで点数がないのは仕方ない。
自分やったら、おかしいなと思いつつも、一つだけ答え書く。
それと、この問題で時間を取られて他の問題にも影響が出たって書いてた人がいたけど、それも結局は自己判断の世界やん。
何のために過去問やってんねん
時間配分のためやろ
無駄に時間過ぎたら、やばいってならん?
これは捨て問にして他で1点でも多く取ろうとするのが戦略やろ。
85pt
81pt
166名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 11:09
>>163
>>164
問1. (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
「A・B・C・Dは、炭素・水素・酸素からなる同じ分子式をもつ分子量300以下のベンゼン環を含む芳香族化合物である。」という情報と(a)の情報から必ず1つに決められなければならない。
ここで文章を正しく読んでいる受験生であれば、(a)から決まるはずなのだから(b)〜(f)を用いてどちらが正しいか検討することはないと考える。
ということは計算ミスであろうかということで同じ計算を何度も試す羽目になった挙げ句、答えが出ないので博打で片方を選んで数十分を潰すか、得点源であるはずの構造決定をまるごと捨てる選択しかできないのである。
臨機応変にC12を選ぶことが正しいであるとか、そういう問題ではない。
出題の文章にそう書いてある以上、これは間違いとしか言いようがないのである。
ただ、どちらの解答を正解としても、白紙を正解としても、片方に不利であることは間違いないので、大学としては正しい対応を選択することがかなり困難である思われる。
しかし、この間違いを認めないのであれば、自身の過ちも認められず、受験生を馬鹿にするような格が落ちた大学だと言わざるを得ない。
そうはなってほしくないので、以前の物理のようにはならず、具体的な報告と対応の公開を望むばかりである。
>>163
>>164
問1. (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
「A・B・C・Dは、炭素・水素・酸素からなる同じ分子式をもつ分子量300以下のベンゼン環を含む芳香族化合物である。」という情報と(a)の情報から必ず1つに決められなければならない。
ここで文章を正しく読んでいる受験生であれば、(a)から決まるはずなのだから(b)〜(f)を用いてどちらが正しいか検討することはないと考える。
ということは計算ミスであろうかということで同じ計算を何度も試す羽目になった挙げ句、答えが出ないので博打で片方を選んで数十分を潰すか、得点源であるはずの構造決定をまるごと捨てる選択しかできないのである。
臨機応変にC12を選ぶことが正しいであるとか、そういう問題ではない。
出題の文章にそう書いてある以上、これは間違いとしか言いようがないのである。
ただ、どちらの解答を正解としても、白紙を正解としても、片方に不利であることは間違いないので、大学としては正しい対応を選択することがかなり困難である思われる。
しかし、この間違いを認めないのであれば、自身の過ちも認められず、受験生を馬鹿にするような格が落ちた大学だと言わざるを得ない。
そうはなってほしくないので、以前の物理のようにはならず、具体的な報告と対応の公開を望むばかりである。
162pt
0pt
168名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 11:29
>>166
以前の物理は外部予備校の物理講師からの指摘があり明らかにミスだったので対応されたということでは?
今回の化学とは別物だと感じるが?
>>166
以前の物理は外部予備校の物理講師からの指摘があり明らかにミスだったので対応されたということでは?
今回の化学とは別物だと感じるが?
9pt
5pt
169名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 11:33
外部有識者、例えば予備校化学講師や高校化学教師からは、この問題が出題ミスという声は上がっていない。
それについてはどう思いますか?
外部有識者、例えば予備校化学講師や高校化学教師からは、この問題が出題ミスという声は上がっていない。
それについてはどう思いますか?
2pt
5pt
170名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 11:36
>そうはなってほしくないので、以前の物理のようにはならず、具体的な報告と対応の公開を望むばかりである。
対応の公開って?
採点し直して、追加合格者を発表しろってこと?
>そうはなってほしくないので、以前の物理のようにはならず、具体的な報告と対応の公開を望むばかりである。
対応の公開って?
採点し直して、追加合格者を発表しろってこと?
1pt
2pt
173名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 13:06
東京大学が出題ミスをしない、あるいはミスが疑われても容易にはね除けられるのはなぜ?
答えは簡単です。
解答を公表していないからです。
もちろん「解が一つに定まる」記号問題の正解は公表していますが、記述式解答については一切公表せず、科目ごとに「問題意図」を説明するのみです。
その理由について、東京大学は.....
解答は1つでないことがいっぱいある。
我々が知りたいのは、解答を導くまでのプロセス。
解答が3つ、4つあってもいいときに、1つだけが解答と捉えられてしまうことを非常に恐れている。
世の中は解がないことが圧倒的に多い。
プロセスが一番大事で、これが解だと言って、解を覚えてしまうのは知能発達によくないのではないか。
東京大学の入学試験は一つの解に向かってみんなが同じ道を通るのではなく、それぞれが多様なプロセスをもって、そこに至る道を丁寧に判断する。
東京大学が出題ミスをしない、あるいはミスが疑われても容易にはね除けられるのはなぜ?
答えは簡単です。
解答を公表していないからです。
もちろん「解が一つに定まる」記号問題の正解は公表していますが、記述式解答については一切公表せず、科目ごとに「問題意図」を説明するのみです。
その理由について、東京大学は.....
解答は1つでないことがいっぱいある。
我々が知りたいのは、解答を導くまでのプロセス。
解答が3つ、4つあってもいいときに、1つだけが解答と捉えられてしまうことを非常に恐れている。
世の中は解がないことが圧倒的に多い。
プロセスが一番大事で、これが解だと言って、解を覚えてしまうのは知能発達によくないのではないか。
東京大学の入学試験は一つの解に向かってみんなが同じ道を通るのではなく、それぞれが多様なプロセスをもって、そこに至る道を丁寧に判断する。
10pt
0pt
174名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 15:58
>>173
わかります。
解答を導くまでのプロセス。
これを大切にしてこその旧帝大理系です。
1つだけが解答と捉えられ、解答の視野が狭くなる事は研究者の卵を育てるにはふさわしくない。
阪大の入試に加点があるのはなぜか?
エクセレントな解き方、着眼点の良さが感じられる解答に加点していると言われています。
つまりプロセスが評価されているのです。
おそらく、この化学の問題が有識者の間から出題ミスだと指摘されないのには、それなりの理由があると思われます。
>>173
わかります。
解答を導くまでのプロセス。
これを大切にしてこその旧帝大理系です。
1つだけが解答と捉えられ、解答の視野が狭くなる事は研究者の卵を育てるにはふさわしくない。
阪大の入試に加点があるのはなぜか?
エクセレントな解き方、着眼点の良さが感じられる解答に加点していると言われています。
つまりプロセスが評価されているのです。
おそらく、この化学の問題が有識者の間から出題ミスだと指摘されないのには、それなりの理由があると思われます。
1pt
0pt
176名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 16:02
実際に、予備校講師や高校教師からの苦情は出ていない。
この化学の問題が出題ミスかどうかを受験生が判断するのか?
それもおかしな話。
実際に、予備校講師や高校教師からの苦情は出ていない。
この化学の問題が出題ミスかどうかを受験生が判断するのか?
それもおかしな話。
1pt
0pt
177名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 16:34
ゼロに貼り付けてあるYouTube動画を見ると、この人は高校の化学の先生のようですね。
この化学の問題のせいで落ちた受験生を救済しろと言ってますが、それはちょっと違うような。
本当は200以下とすべきところを300としてしまった為に解答が二つ生まれた、だから出題ミスだと言ってますが、うーん、どうなんだろう。
確かに良問ではないし悪問だとは思うけど。
ゼロに貼り付けてあるYouTube動画を見ると、この人は高校の化学の先生のようですね。
この化学の問題のせいで落ちた受験生を救済しろと言ってますが、それはちょっと違うような。
本当は200以下とすべきところを300としてしまった為に解答が二つ生まれた、だから出題ミスだと言ってますが、うーん、どうなんだろう。
確かに良問ではないし悪問だとは思うけど。
2pt
0pt
178名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 16:57
>>174
阪大が「それなりの理由」の説明をして然りだと思います。
ここで「説明がない」と1年以上にわたり、静かな抗議をしている理由がそのことだと思います。
>>174
阪大が「それなりの理由」の説明をして然りだと思います。
ここで「説明がない」と1年以上にわたり、静かな抗議をしている理由がそのことだと思います。
0pt
0pt
179名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 17:31
>>178
そうだね
それなりの理由は説明してもらいたいよね
ただ個人的には、採点し直して不合格者を救済しろと言うのは違うと思ってる
旧帝大理系は研究者の卵を育てる役目も担っているわけで、この問題で何を採点し配点をどうするかは大学側の自由である以上、出願ミスと断定する事はできないと思う。
東大がそうであるように。
解答を二つ書いた学生は大問3全てが正解となるような得点を与えられている可能性もあるわけで、そのようにして大学側は試験の公平性を保っている可能性もある。
>>178
そうだね
それなりの理由は説明してもらいたいよね
ただ個人的には、採点し直して不合格者を救済しろと言うのは違うと思ってる
旧帝大理系は研究者の卵を育てる役目も担っているわけで、この問題で何を採点し配点をどうするかは大学側の自由である以上、出願ミスと断定する事はできないと思う。
東大がそうであるように。
解答を二つ書いた学生は大問3全てが正解となるような得点を与えられている可能性もあるわけで、そのようにして大学側は試験の公平性を保っている可能性もある。
13pt
20pt
180名前を書き忘れた受験生 2023/05/19 19:50
>>179
それ、わかる
今年、阪大に合格したけど、物理ゲキムズで半分しか埋めれんかった。
正解は体感3割って感じ。
怖くて自己採点もできんかった。
こないだ得点開示があって、見たら物理の得点が6割近く!
書いた答えが全部合ってても点数半分やなと思ってたからびっくりした。
配点は大学側の裁量やから、どの問題がどの配点かは受験生にはわからない。
一つ言えることは、がむしゃらに点数を取りに行く姿勢は大切ということ。
化学の問題で答えが二つあるから出題ミスだと判断して白紙で提出した人がいたとYouTubeで言っていたけど、それは自殺行為。
まず、何か書かないと点数は確実にもらえない。
>>179
それ、わかる
今年、阪大に合格したけど、物理ゲキムズで半分しか埋めれんかった。
正解は体感3割って感じ。
怖くて自己採点もできんかった。
こないだ得点開示があって、見たら物理の得点が6割近く!
書いた答えが全部合ってても点数半分やなと思ってたからびっくりした。
配点は大学側の裁量やから、どの問題がどの配点かは受験生にはわからない。
一つ言えることは、がむしゃらに点数を取りに行く姿勢は大切ということ。
化学の問題で答えが二つあるから出題ミスだと判断して白紙で提出した人がいたとYouTubeで言っていたけど、それは自殺行為。
まず、何か書かないと点数は確実にもらえない。
10pt
0pt
181名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 13:16
旧帝大理系が欲しい学生とはプロセスをきちんと追っかけていける学生。
解答は一つのはずという思い込みで、白紙で出した受験生は間違いなく0点。
問題を正確に読み解答を二つ書いた受験生は大学が最も欲しい学生。
その学生には飛び抜けた配点がつけられた可能性もある。
出題ミスとは明らかに問題にミスがあった場合。
この問題には明らかなミスはない。
300が200の間違いだったのでは?と言われているが、300でも問題は成立している。
そして、大学側が採点する時点で、解答が二つあることはわかっていた。
この問題にどうやって受験生が解答したのかを、どのように採点するかは大学側の裁量に委ねられている。
その結果、受験生の化学の点数が決定されたと考えられる。
また、大学側には配点や採点基準を明かす義務はない。
東大や京大でも細かい配点や加点減点基準は公表されていない。
以上の点から考慮して、阪大からこれ以上の説明はないと思われる。
旧帝大理系が欲しい学生とはプロセスをきちんと追っかけていける学生。
解答は一つのはずという思い込みで、白紙で出した受験生は間違いなく0点。
問題を正確に読み解答を二つ書いた受験生は大学が最も欲しい学生。
その学生には飛び抜けた配点がつけられた可能性もある。
出題ミスとは明らかに問題にミスがあった場合。
この問題には明らかなミスはない。
300が200の間違いだったのでは?と言われているが、300でも問題は成立している。
そして、大学側が採点する時点で、解答が二つあることはわかっていた。
この問題にどうやって受験生が解答したのかを、どのように採点するかは大学側の裁量に委ねられている。
その結果、受験生の化学の点数が決定されたと考えられる。
また、大学側には配点や採点基準を明かす義務はない。
東大や京大でも細かい配点や加点減点基準は公表されていない。
以上の点から考慮して、阪大からこれ以上の説明はないと思われる。
80pt
43pt
182名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 13:27
>>181あなた構造決定やったことないですよねw
というかこの件についてろくに知らないくせに知った口聞いて偉そうにしないでほしい。
解答が2つとか言ってるけど何十個、何百個とかいう単位で別解あるんですけど。
>>181あなた構造決定やったことないですよねw
というかこの件についてろくに知らないくせに知った口聞いて偉そうにしないでほしい。
解答が2つとか言ってるけど何十個、何百個とかいう単位で別解あるんですけど。
16pt
108pt
183名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 15:46
>>182
へー!
何十個、何百個単位の別解???
それが本当なら、とっくにいろんな有識者からクレーム出てるでしょうよ
でも、出てないじゃん
それについてはどう考えてるの?
>>182
へー!
何十個、何百個単位の別解???
それが本当なら、とっくにいろんな有識者からクレーム出てるでしょうよ
でも、出てないじゃん
それについてはどう考えてるの?
19pt
0pt
184名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 15:51
>>182
いや、何十個も何百個も別解なんてないやん
あるんなら、書いてみてや
駿台の解答でも二つ、
高校化学教師のYouTubeでも解答は2つと言いきってる
自分こそ適当なこと書いてて何もわかってないやん
出題ミスとは言えず、大学側の採点による点数決定がなされたという意見に賛成
>>182
いや、何十個も何百個も別解なんてないやん
あるんなら、書いてみてや
駿台の解答でも二つ、
高校化学教師のYouTubeでも解答は2つと言いきってる
自分こそ適当なこと書いてて何もわかってないやん
出題ミスとは言えず、大学側の採点による点数決定がなされたという意見に賛成
30pt
0pt
186名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 16:02
問題として成立している以上、出題ミスではないという意見に賛成。
この問題のせいで不合格になったとか言ってる奴の気が知れん。
化学以外にも入試科目はあるねん。
なんで数学でもっと点を取らんかったん?
なんで英語でもっと点をとらんかったん?
なんで物理でもっと点をとらんかったん?
共通テストでも点を取っておけば良かったやん?
この問題のせいで不合格?
ちゃうやろ
自分のせいやん
不合格の人間が何言っても、結局は負け犬の遠吠えやねん
問題として成立している以上、出題ミスではないという意見に賛成。
この問題のせいで不合格になったとか言ってる奴の気が知れん。
化学以外にも入試科目はあるねん。
なんで数学でもっと点を取らんかったん?
なんで英語でもっと点をとらんかったん?
なんで物理でもっと点をとらんかったん?
共通テストでも点を取っておけば良かったやん?
この問題のせいで不合格?
ちゃうやろ
自分のせいやん
不合格の人間が何言っても、結局は負け犬の遠吠えやねん
8pt
0pt
189名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 21:07
>>181
そして、大学側が採点する時点で、解答が二つあることはわかっていた。
作問の時点ではわかってなかったんだよ。
指摘があったからHPにUPしたんだよ。
>>181
そして、大学側が採点する時点で、解答が二つあることはわかっていた。
作問の時点ではわかってなかったんだよ。
指摘があったからHPにUPしたんだよ。
0pt
10pt
192名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 21:28
>>187
合格できひんかった人間が、この問題のせいで落ちたと言い訳したいだけ。
見苦しい。
化学で失敗しても、ちゃんと合格した人間はいる。
>>187
合格できひんかった人間が、この問題のせいで落ちたと言い訳したいだけ。
見苦しい。
化学で失敗しても、ちゃんと合格した人間はいる。
10pt
0pt
193名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 21:30
>>189
それでも採点の時にはわかってた。
だから採点で大学側は考慮して採点した。
大学側としては、それで何も問題は無い。
>>189
それでも採点の時にはわかってた。
だから採点で大学側は考慮して採点した。
大学側としては、それで何も問題は無い。
17pt
0pt
195名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 21:33
>>190
阪大に合格した自分は勝ち組。
不合格の人間が何を言ってももう終わってる。
かわいそうに。
こんなところに書き込んでないで受験勉強しろよ。
>>190
阪大に合格した自分は勝ち組。
不合格の人間が何を言ってももう終わってる。
かわいそうに。
こんなところに書き込んでないで受験勉強しろよ。
10pt
0pt
196名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 21:39
>>189
採点する時点でわかっていたのだから何も問題はない。
それを踏まえて採点すれば良いだけ。
解答を二つ書いた受験生には高得点を、白紙の受験生には0点をつければ良いだけ。
だから出題ミスにはならない。
大学側は採点基準を公表する必要は無いし、大学が採点した結果、合否が決まる。
よって何も問題はない。
>>189
採点する時点でわかっていたのだから何も問題はない。
それを踏まえて採点すれば良いだけ。
解答を二つ書いた受験生には高得点を、白紙の受験生には0点をつければ良いだけ。
だから出題ミスにはならない。
大学側は採点基準を公表する必要は無いし、大学が採点した結果、合否が決まる。
よって何も問題はない。
18pt
0pt
198名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 21:48
>>189
>>作問の時点ではわかってなかったんだよ。
それを証明できるか?って話。
300じゃなく200の間違いだったのでは?と言ってる人もいるけど、結局それを証明する事はできない。
なぜなら300でも問題は成立してるから。
>>189
>>作問の時点ではわかってなかったんだよ。
それを証明できるか?って話。
300じゃなく200の間違いだったのでは?と言ってる人もいるけど、結局それを証明する事はできない。
なぜなら300でも問題は成立してるから。
16pt
0pt
199名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 21:52
確かに、良問じゃなく、受験生を混乱させる悪問ではあるが、出題ミスとは言えない。
だから有識者からのクレームも出てないし、阪大が採点し直す事もない。
このスレであと何十年も静かな抗議を続けてもきっと何も変わらない。
確かに、良問じゃなく、受験生を混乱させる悪問ではあるが、出題ミスとは言えない。
だから有識者からのクレームも出てないし、阪大が採点し直す事もない。
このスレであと何十年も静かな抗議を続けてもきっと何も変わらない。
27pt
0pt
201名前を書き忘れた受験生 2023/05/20 22:12
このスレで抗議してる人は何を求めてるんですか?
ミスを認めろ?
大学はミスだと考えていないので認めないでしょう。
不合格者を救済しろ?
それはもっとありえないでしょう。
このスレで抗議してる人は何を求めてるんですか?
ミスを認めろ?
大学はミスだと考えていないので認めないでしょう。
不合格者を救済しろ?
それはもっとありえないでしょう。
18pt
0pt
202名前を書き忘れた受験生 2023/05/21 03:28
理解できてない残念な人に言っておくと、分子式は2通り出てくるからその後の構造式を書く問題では炭素数が18として解くと何十個とかいう単位で別解出てくるんよ。
理解できましたか?
理解できてない残念な人に言っておくと、分子式は2通り出てくるからその後の構造式を書く問題では炭素数が18として解くと何十個とかいう単位で別解出てくるんよ。
理解できましたか?
61pt
122pt
203名前を書き忘れた受験生 2023/05/21 03:31
>>183
別解は数十個単位であるのは確かですし、有識者からもクレームは出てます。(このスレの1番上にある動画)
偉そうな言い方をする前にきちんと調べましょう。
>>183
別解は数十個単位であるのは確かですし、有識者からもクレームは出てます。(このスレの1番上にある動画)
偉そうな言い方をする前にきちんと調べましょう。
62pt
128pt
204名前を書き忘れた受験生 2023/05/21 03:32
>>184
202見てね、これでも分からなかったら多分あなたはずっと分からないままだから口出ししない方がいいと思う。
>>184
202見てね、これでも分からなかったら多分あなたはずっと分からないままだから口出ししない方がいいと思う。
172pt
244pt
208名前を書き忘れた受験生 2023/05/21 07:17
YouTube動画の高校の教師が1人何か言ってたってクレームにもなってない
しかも大学側は採点基準に則り採点したと公表している
出題ミスではないのだから、今さら何を言っても何も変わる事は無い
不合格者の救済もありえない
ここで喚いているのが不合格者なら、こんなことに時間を使わずに受験勉強したほうが良い
私大に進学した人なら、そこでの勉強頑張れ!
阪大に合格した人が抗議してるなら、コース決定や研究室配属のために自分の時間を使え!
YouTube動画の高校の教師が1人何か言ってたってクレームにもなってない
しかも大学側は採点基準に則り採点したと公表している
出題ミスではないのだから、今さら何を言っても何も変わる事は無い
不合格者の救済もありえない
ここで喚いているのが不合格者なら、こんなことに時間を使わずに受験勉強したほうが良い
私大に進学した人なら、そこでの勉強頑張れ!
阪大に合格した人が抗議してるなら、コース決定や研究室配属のために自分の時間を使え!
28pt
0pt
209名前を書き忘れた受験生 2023/05/21 07:20
>>202
分子式が2つあるってわかってるんやったら、解答欄の大きさから考えてC18をあえて選ぶ人はいないやろ。
C12を選べば済むことやん。
>>202
分子式が2つあるってわかってるんやったら、解答欄の大きさから考えてC18をあえて選ぶ人はいないやろ。
C12を選べば済むことやん。
12pt
0pt
210名前を書き忘れた受験生 2023/05/21 07:25
>>204
で?
あなたの意見は、数十個の別解があるから出題ミスという考え方ですか?
なぜそれが出題ミスになるんですか?
>>204
で?
あなたの意見は、数十個の別解があるから出題ミスという考え方ですか?
なぜそれが出題ミスになるんですか?
17pt
0pt
212名前を書き忘れた受験生 2023/05/21 08:20
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なで考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なで考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
270pt
0pt
217名前を書き忘れた受験生 2023/05/21 20:15
>>203
>>偉そうな言い方をする前にきちんと調べましょう。
その言葉、ブーメランで刺さってて草
偉そうにする前にきちんと調べましょうww
>>203
>>偉そうな言い方をする前にきちんと調べましょう。
その言葉、ブーメランで刺さってて草
偉そうにする前にきちんと調べましょうww
14pt
0pt
218名前を書き忘れた受験生 2023/05/21 22:10
>>212
おみごと!
やっぱり化学に対する広い視野と柔軟な考え方があれば、こうなるんだよな。
この人、難関大学や医学部志望の受験生に化学を指導しているって書いてるだけあって、他のコラムも読みごたえあった。
受験生は読んでおくと良いよ。
化学が理解しやすくなると思う。
>>212
おみごと!
やっぱり化学に対する広い視野と柔軟な考え方があれば、こうなるんだよな。
この人、難関大学や医学部志望の受験生に化学を指導しているって書いてるだけあって、他のコラムも読みごたえあった。
受験生は読んでおくと良いよ。
化学が理解しやすくなると思う。
60pt
0pt
219名前を書き忘れた受験生 2023/05/22 15:02
受験生視点で出題ミスとか騒いでる奴って、結局、頭悪いと証明された。
ゼロに貼り付けてあるYouTubeの動画をアップした高校教師も阿呆ってことやな。
受験生視点で出題ミスとか騒いでる奴って、結局、頭悪いと証明された。
ゼロに貼り付けてあるYouTubeの動画をアップした高校教師も阿呆ってことやな。
70pt
1pt
222名前を書き忘れた受験生 2023/05/23 04:17
楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説 サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説 サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
262pt
0pt
223名前を書き忘れた受験生 2023/05/23 19:25
>>154
俺は阪大に受かってるから別にどうでもいいもんwここでいくら議論しても結果は変わらんでしょw時間を有意義に使った方がいいぜーww
と言ってる俺も今まさに時間を無駄にしてるけどw
>>154
俺は阪大に受かってるから別にどうでもいいもんwここでいくら議論しても結果は変わらんでしょw時間を有意義に使った方がいいぜーww
と言ってる俺も今まさに時間を無駄にしてるけどw
0pt
0pt
225名前を書き忘れた受験生 2023/05/23 22:04
>>223
議論も何も、もう決着ついた。
出題ミスではないと東大院卒の人が書いてる。
柔軟な思考があれば、きちんと正解に辿りつくので何も問題ないとのこと。
逆にどれだけ柔軟に考えられるか、わざと分子量300にして受験生を試したのではないかとまで書かれている。
どちらにせよ、勝手に出題ミスと判断して白紙提出した受験生は0点。
本当にバカだと思う。
>>223
議論も何も、もう決着ついた。
出題ミスではないと東大院卒の人が書いてる。
柔軟な思考があれば、きちんと正解に辿りつくので何も問題ないとのこと。
逆にどれだけ柔軟に考えられるか、わざと分子量300にして受験生を試したのではないかとまで書かれている。
どちらにせよ、勝手に出題ミスと判断して白紙提出した受験生は0点。
本当にバカだと思う。
81pt
0pt
231名前を書き忘れた受験生 2023/05/25 00:21
>>230
もうやめれば?
決着ついたやん
説明も、東大院卒の化学を受験生に指導してる人が丁寧に説明してるやん
出題ミスでもなんでもない
>>230
もうやめれば?
決着ついたやん
説明も、東大院卒の化学を受験生に指導してる人が丁寧に説明してるやん
出題ミスでもなんでもない
221pt
97pt
232名前を書き忘れた受験生 2023/05/25 00:31
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだ!って煽るから、アホな受験生がそれを信じて被害者面。
「出題ミスのせいで不合格になった」とかよく言うわ。
完全に実力不足やろ。
「説明ない」って言ってる奴は「私はアホです」って言ってるのと同じ。
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだ!って煽るから、アホな受験生がそれを信じて被害者面。
「出題ミスのせいで不合格になった」とかよく言うわ。
完全に実力不足やろ。
「説明ない」って言ってる奴は「私はアホです」って言ってるのと同じ。
243pt
90pt
234名前を書き忘れた受験生 2023/05/25 13:23
過去にも何度か出題ミスしてるよね。
現役生は今回の件は知らんふり。
自分には関係ない〜ってw
だから馬鹿にされるんだよ。
維新によって、いずれハム大と統合されそうだね。
過去にも何度か出題ミスしてるよね。
現役生は今回の件は知らんふり。
自分には関係ない〜ってw
だから馬鹿にされるんだよ。
維新によって、いずれハム大と統合されそうだね。
0pt
7pt
235名前を書き忘れた受験生 2023/05/25 13:45
>>233
それはおまえなww
東大院卒の化学を指導してる人の説明も意味わからんのやろw
あれに反論できるならしてみれば?w
>>233
それはおまえなww
東大院卒の化学を指導してる人の説明も意味わからんのやろw
あれに反論できるならしてみれば?w
25pt
0pt
236名前を書き忘れた受験生 2023/05/25 13:51
>>234
だからなんでハム大???
レベル違いすぎやろwww
旧帝大理系の阪大と国立神大でもきっちり線引きされてるのに、
そこに公立大学のハム大???
国立大学は国立法人やから公立大のハム大との合併なんかありえるはずもない
妄想もたいがいにwww
>>234
だからなんでハム大???
レベル違いすぎやろwww
旧帝大理系の阪大と国立神大でもきっちり線引きされてるのに、
そこに公立大学のハム大???
国立大学は国立法人やから公立大のハム大との合併なんかありえるはずもない
妄想もたいがいにwww
23pt
0pt
238名前を書き忘れた受験生 2023/05/25 13:55
>>234
ハム大生は馬鹿にされてるかも知れないけど
阪大生は馬鹿にされてないで。
旧帝理系は別格やから。
これ、事実。
>>234
ハム大生は馬鹿にされてるかも知れないけど
阪大生は馬鹿にされてないで。
旧帝理系は別格やから。
これ、事実。
31pt
0pt
240名前を書き忘れた受験生 2023/05/25 16:34
>>233
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>233
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
43pt
0pt
243名前を書き忘れた受験生 2023/05/25 21:43
>>241
最強の引用。
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだと煽ってるなか、東大院卒で受験生に化学を教えてる人が詳しく説明してくれてるんだから、これ以上はない。
理解できないのかな?
>>241
最強の引用。
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだと煽ってるなか、東大院卒で受験生に化学を教えてる人が詳しく説明してくれてるんだから、これ以上はない。
理解できないのかな?
32pt
0pt
246名前を書き忘れた受験生 2023/05/25 22:17
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだ!って煽るから、アホな受験生がそれを信じて被害者面。
「出題ミスのせいで不合格になった」とかよく言うわ。
完全に実力不足やろ。
「説明ない」って言ってる奴は「私はアホです」って言ってるのと同じ。
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだ!って煽るから、アホな受験生がそれを信じて被害者面。
「出題ミスのせいで不合格になった」とかよく言うわ。
完全に実力不足やろ。
「説明ない」って言ってる奴は「私はアホです」って言ってるのと同じ。
60pt
43pt
248名前を書き忘れた受験生 2023/05/26 05:59
>>247
以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方の説明です。
楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>247
以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方の説明です。
楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
109pt
0pt
250名前を書き忘れた受験生 2023/05/26 09:24
>>244 >>245 >>246
阪大生かな?
面白がって煽っているスレに反応したらいけないよ。
阪大の印象が悪くなる一方だよ。
>>244 >>245 >>246
阪大生かな?
面白がって煽っているスレに反応したらいけないよ。
阪大の印象が悪くなる一方だよ。
16pt
0pt
251名前を書き忘れた受験生 2023/05/26 09:48
>>248
「説明がない」て言ってる人達は、引用の内容を理解してるんじゃないかな?
そもそも全然理解(解答)出来ない人が「説明ない」なんて発言しないよね。
でなきゃ、答えられなかった問題(間違えた問題)すべてに対して「説明ない」と言うよね。
今回問題となっている件に関しては、ネット上で色んな方が解説されていますが、それを否定しているんじゃなく、阪大当局もそれくらいの解説(説明)を望んでいたんじゃないかな?
違うかな?
出題ミスではないと思いますが、阪大がこの問題に関して
「本学としましては、本学入試委員会の下に設置している入試問題の出題内容等に関する検証を行う組織で慎重に検討をし、当該検討を踏まえて、公表しております解答例に従って採点・合否判定を行っております。なお、この件については採点の見直しは行いません。」
とHP上で公表したから余計に問題視されてないですか?
「少しは問題あるけど、大学は間違ってないですよ。」みたいな
他問題と同様に、解答・解説だけだったらよかったのかな?
>>248
「説明がない」て言ってる人達は、引用の内容を理解してるんじゃないかな?
そもそも全然理解(解答)出来ない人が「説明ない」なんて発言しないよね。
でなきゃ、答えられなかった問題(間違えた問題)すべてに対して「説明ない」と言うよね。
今回問題となっている件に関しては、ネット上で色んな方が解説されていますが、それを否定しているんじゃなく、阪大当局もそれくらいの解説(説明)を望んでいたんじゃないかな?
違うかな?
出題ミスではないと思いますが、阪大がこの問題に関して
「本学としましては、本学入試委員会の下に設置している入試問題の出題内容等に関する検証を行う組織で慎重に検討をし、当該検討を踏まえて、公表しております解答例に従って採点・合否判定を行っております。なお、この件については採点の見直しは行いません。」
とHP上で公表したから余計に問題視されてないですか?
「少しは問題あるけど、大学は間違ってないですよ。」みたいな
他問題と同様に、解答・解説だけだったらよかったのかな?
13pt
6pt
254名前を書き忘れた受験生 2023/05/26 14:15
>>251
バカなYouTuberが出題ミスだと煽って、不合格になった受験生が被害者ヅラして騒ぎ出したので、大学側は仕方なくコメント発表という形だと思う。
実際には、出題ミスでも何でもない。
よくある受験パターンの問題とは違う問題だっただけ。
だから柔軟な考え方ができれば、正解にはきちんと辿りつく。
それを思い込みの激しい人は解けなかった。
最初、悪問かと思ったが、分子量に関係なく正解に辿りつけるとの説明で納得。
結局、納得できない、説明がないと騒いでる人は自分が不合格になったことを認められない人だと思う。
>>251
バカなYouTuberが出題ミスだと煽って、不合格になった受験生が被害者ヅラして騒ぎ出したので、大学側は仕方なくコメント発表という形だと思う。
実際には、出題ミスでも何でもない。
よくある受験パターンの問題とは違う問題だっただけ。
だから柔軟な考え方ができれば、正解にはきちんと辿りつく。
それを思い込みの激しい人は解けなかった。
最初、悪問かと思ったが、分子量に関係なく正解に辿りつけるとの説明で納得。
結局、納得できない、説明がないと騒いでる人は自分が不合格になったことを認められない人だと思う。
17pt
0pt
259名前を書き忘れた受験生 2023/05/26 17:22
>>257
現役阪大生のフリをしてるだけで実は不合格だった受験生では?
じゃないと、これほどこの問題にこだわる理由が見つからない
>>257
現役阪大生のフリをしてるだけで実は不合格だった受験生では?
じゃないと、これほどこの問題にこだわる理由が見つからない
15pt
0pt
260名前を書き忘れた受験生 2023/05/26 17:26
合格してる人間はこんな化学の問題、出題ミスでもないし、はっきり言って、どうでも良い
この問題にこだわってるのは、不合格だった人間だけ
合格してる人間はこんな化学の問題、出題ミスでもないし、はっきり言って、どうでも良い
この問題にこだわってるのは、不合格だった人間だけ
25pt
0pt
261名前を書き忘れた受験生 2023/05/27 20:46
>>254
>結局、納得できない、説明がないと騒いでる人は自分が不合格になったことを認められない人だと思う。
その通り。
まず不合格を受け入れるところから。
>>254
>結局、納得できない、説明がないと騒いでる人は自分が不合格になったことを認められない人だと思う。
その通り。
まず不合格を受け入れるところから。
15pt
0pt
263名前を書き忘れた受験生 2023/05/30 10:24
>>262
以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方の説明です。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>262
以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方の説明です。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
44pt
0pt
265名前を書き忘れた受験生 2023/05/30 13:10
>>264
当局からの説明はホームページ記載通り
実際に、出題ミスではないという外部有識者の意見があるので、それ以上の説明は不要と判断されているのでしょう
>>264
当局からの説明はホームページ記載通り
実際に、出題ミスではないという外部有識者の意見があるので、それ以上の説明は不要と判断されているのでしょう
18pt
0pt
267名前を書き忘れた受験生 2023/05/30 15:03
>>266
以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方の説明です。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>266
以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方の説明です。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
3pt
0pt
269名前を書き忘れた受験生 2023/05/30 18:34
>>268
以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方の説明です。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>268
以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方の説明です。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
3pt
0pt
275名前を書き忘れた受験生 2023/05/31 10:04
>>274
以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>274
以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
10pt
0pt
278名前を書き忘れた受験生 2023/05/31 22:04
>>277以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>277以下、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
90pt
0pt
281名前を書き忘れた受験生 2023/06/04 11:00
>>279東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>279東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
39pt
0pt
283名前を書き忘れた受験生 2023/06/04 15:16
>>281
受験生にとてもオススメのサイト
化学が得意になりないなら、是非一度は確認した方が良い
スマホだと見づらいので、タブレットかPCで!
>>281
受験生にとてもオススメのサイト
化学が得意になりないなら、是非一度は確認した方が良い
スマホだと見づらいので、タブレットかPCで!
2pt
0pt
286名前を書き忘れた受験生 2023/06/05 12:44
>>281
All Rights Reserved
この文言はコンテンツを自由にコピーできないことを、アーティスト・作家・コンテンツ制作者が明確に警告するために広く使用されている。
>>281
All Rights Reserved
この文言はコンテンツを自由にコピーできないことを、アーティスト・作家・コンテンツ制作者が明確に警告するために広く使用されている。
67pt
4pt
290名前を書き忘れた受験生 2023/06/06 16:38
>>289
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>289
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
71pt
0pt
291名前を書き忘れた受験生 2023/06/06 18:01
>>286
適切な引用であれば問題ない。
適切な引用とは?
どこのサイトの誰が書いたものかを明確に記している。
個人の勝手な変更や注釈を加えていない。
引用によって利益を得ていないなど。
元々ホームページに公開されているものは閲覧自由なので、それを引用する際には適切な引用であれば問題ない。
>>286
適切な引用であれば問題ない。
適切な引用とは?
どこのサイトの誰が書いたものかを明確に記している。
個人の勝手な変更や注釈を加えていない。
引用によって利益を得ていないなど。
元々ホームページに公開されているものは閲覧自由なので、それを引用する際には適切な引用であれば問題ない。
28pt
57pt
292名前を書き忘れた受験生 2023/06/06 21:39
>>291
貴方は阪大生ですか?
著作権について、法学部の方にでも相談してみてください。
小さなイラストを勝手にコペピして損害賠償を請求された例もありますよ。
該当ホームページに
「Copyright 楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説 All Rights Reserved.」と
記載がありますので、引用・転用する場合は、著作者の許可を得た方が安心ですよ。
ここは日本ですが、アメリカなら数百億円の賠償請求もあり得ます。
【コピーライトとは】
英語で「Copyright」と書き、”著作権”のことを指します。著作権とは、作品を創作した人や会社(著作者)が持つ権利であり、著作者は作品がどう使われるか決めることができます。
Webサイトやホームページの下部にコピーライトがあるのは「ここにある記事や画像の著作権は自社が持っているから、無断転載しないでください」という一種の意思表示です。
厳密にいうと著作権法で著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されているため、これに該当するものがあれば著作権保護の対象になります。
【コピーライトの記述の必要性】
著作物は日本の法律でちゃんと守られるので、コピーライトの記述はあってもなくても、勝手に人のものをコピーしたら違法です。
>>291
”適切な引用であれば問題ない。”
貴方個人の解釈ですよね。
著作者が決めることであって、貴方が決めることではありませんよ。
>>291
貴方は阪大生ですか?
著作権について、法学部の方にでも相談してみてください。
小さなイラストを勝手にコペピして損害賠償を請求された例もありますよ。
該当ホームページに
「Copyright 楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説 All Rights Reserved.」と
記載がありますので、引用・転用する場合は、著作者の許可を得た方が安心ですよ。
ここは日本ですが、アメリカなら数百億円の賠償請求もあり得ます。
【コピーライトとは】
英語で「Copyright」と書き、”著作権”のことを指します。著作権とは、作品を創作した人や会社(著作者)が持つ権利であり、著作者は作品がどう使われるか決めることができます。
Webサイトやホームページの下部にコピーライトがあるのは「ここにある記事や画像の著作権は自社が持っているから、無断転載しないでください」という一種の意思表示です。
厳密にいうと著作権法で著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されているため、これに該当するものがあれば著作権保護の対象になります。
【コピーライトの記述の必要性】
著作物は日本の法律でちゃんと守られるので、コピーライトの記述はあってもなくても、勝手に人のものをコピーしたら違法です。
>>291
”適切な引用であれば問題ない。”
貴方個人の解釈ですよね。
著作者が決めることであって、貴方が決めることではありませんよ。
24pt
0pt
293名前を書き忘れた受験生 2023/06/06 22:16
他人の著作物を無断で転載することは、一定の場合を除いて法律で禁止されています。
違反すると慰謝料請求や刑事罰などのペナルティを受けることがあります。
情報を発信する際には法律違反をしないよう、他人の著作物を転載する際に守らなければならないルールを知っておく必要があります。
著作権法第21条
技術的利用制限手段 電磁的方法により、著作物等の視聴(プログラムの著作物にあつては、当該著作物を電子計算機において実行する行為を含む。以下この号及び第百十三条第六項において同じ。)を制限する手段(著作権者等の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であつて、著作物等の視聴に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。
著作権法第2条1項1号
著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
※他人がSNSやブログなどに掲載した文章や画像・動画も思想や感情を創作的に表現したものなので、著作物に該当します。掲載した人の許諾を得ることなく転載した場合は、無断転載にあたり得ます。
著作権法第119条1項
著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第二項、第三項若しくは第六項から第八項までの規定により著作権、出版権若しくは著作隣接権(同項の規定による場合にあつては、同条第九項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第五号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第十項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第六号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
著作物を複製する権利は著作権者が専属的に有していますので、許可を得る際には転載する著作物の範囲や目的、転載先、転載する方法などを明確にして著作権者の許可を得れば転載することが可能です。
他人の著作物を無断で転載することは、一定の場合を除いて法律で禁止されています。
違反すると慰謝料請求や刑事罰などのペナルティを受けることがあります。
情報を発信する際には法律違反をしないよう、他人の著作物を転載する際に守らなければならないルールを知っておく必要があります。
著作権法第21条
技術的利用制限手段 電磁的方法により、著作物等の視聴(プログラムの著作物にあつては、当該著作物を電子計算機において実行する行為を含む。以下この号及び第百十三条第六項において同じ。)を制限する手段(著作権者等の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であつて、著作物等の視聴に際し、これに用いられる機器が特定の反応をする信号を記録媒体に記録し、若しくは送信する方式又は当該機器が特定の変換を必要とするよう著作物、実演、レコード若しくは放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像を変換して記録媒体に記録し、若しくは送信する方式によるものをいう。
著作権法第2条1項1号
著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
※他人がSNSやブログなどに掲載した文章や画像・動画も思想や感情を創作的に表現したものなので、著作物に該当します。掲載した人の許諾を得ることなく転載した場合は、無断転載にあたり得ます。
著作権法第119条1項
著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第二項、第三項若しくは第六項から第八項までの規定により著作権、出版権若しくは著作隣接権(同項の規定による場合にあつては、同条第九項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第五号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第十項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第六号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
著作物を複製する権利は著作権者が専属的に有していますので、許可を得る際には転載する著作物の範囲や目的、転載先、転載する方法などを明確にして著作権者の許可を得れば転載することが可能です。
31pt
0pt
296名前を書き忘れた受験生 2023/06/07 08:40
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
41pt
0pt
297名前を書き忘れた受験生 2023/06/07 10:12
>>296
化学苦手だったけどこの内容が理解できるようになって成長したなって思う。
説明ないって書いてる人は理解できないの?
残念。
頑張って勉強した方がいい。
>>296
化学苦手だったけどこの内容が理解できるようになって成長したなって思う。
説明ないって書いてる人は理解できないの?
残念。
頑張って勉強した方がいい。
6pt
0pt
299名前を書き忘れた受験生 2023/06/07 11:53
思い込みが激し過ぎてこんなスレをずっとやってるんだろうな
視野が狭すぎ
納得のいく説明をしてくれている人もいるのに、理解しようともしない
それじゃ、来年も不合格になるよ
思い込みが激し過ぎてこんなスレをずっとやってるんだろうな
視野が狭すぎ
納得のいく説明をしてくれている人もいるのに、理解しようともしない
それじゃ、来年も不合格になるよ
5pt
4pt
304名前を書き忘れた受験生 2023/06/07 13:09
>>296
許可得られたんだ!
よかったね。
でもね、引用だけなら小学生でもできるよ。
自分なりの解説をしなくっちゃね。
>>296
許可得られたんだ!
よかったね。
でもね、引用だけなら小学生でもできるよ。
自分なりの解説をしなくっちゃね。
53pt
0pt
310名前を書き忘れた受験生 2023/06/07 17:09
盛り上がってますね〜
溯って見ていますが、まともに説明している人は、東大院卒の人だけですか!
違うか、コペピですね 笑
盛り上がってますね〜
溯って見ていますが、まともに説明している人は、東大院卒の人だけですか!
違うか、コペピですね 笑
106pt
0pt
311名前を書き忘れた受験生 2023/06/07 20:00
>>302毎日説明ないだけ繰り返してスレが溜まってるのに遡って見れるわけないでしょうが
説明ないマンが同じ阪大生とはとても思えないな
>>302毎日説明ないだけ繰り返してスレが溜まってるのに遡って見れるわけないでしょうが
説明ないマンが同じ阪大生とはとても思えないな
100pt
29pt
313名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 00:55
>>312
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>312
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
35pt
0pt
314名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 01:30
>>300
自分で理解出来ないから、説明ないを繰り返す。
何度同じ内容を書き込んだら気が済むのですか?
だから阪大不合格なんだよ!ww
>>300
自分で理解出来ないから、説明ないを繰り返す。
何度同じ内容を書き込んだら気が済むのですか?
だから阪大不合格なんだよ!ww
39pt
0pt
316名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 08:18
>>315
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>315
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
318名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 08:18
>>317
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>317
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
320名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 08:19
>>319
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>319
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
322名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 08:19
>>321
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>321
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
324名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 08:19
>>323
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>323
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
327名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 08:49
2022年6月10日
大阪大学は、今年度の地理の入試問題で誤りがあったとして、新たに1人を合格者にしたと発表しました。
大阪大学によると、今年度の前期日程の入試問題のうち、地理歴史の出題で誤りがあったことを発表しました。
大学によると、国際観光客についての問題で、データの引用やグラフの作成に誤りがあったということです。
来年度の問題を準備するため、過去の問題の点検中に発覚し、学外からも指摘があったということです。
大学はこの問題を満点として採点し直し、文学部を受験していた1人を新たに合格者としました。
大阪大学の西尾総長は、「合格者の進路に極めて大きな影響を及ぼす事態で深く反省するとともに、お詫びを申し上げます」とコメントし、合格者の意向に沿って対応していきたいとしています。
2022年6月10日
大阪大学は、今年度の地理の入試問題で誤りがあったとして、新たに1人を合格者にしたと発表しました。
大阪大学によると、今年度の前期日程の入試問題のうち、地理歴史の出題で誤りがあったことを発表しました。
大学によると、国際観光客についての問題で、データの引用やグラフの作成に誤りがあったということです。
来年度の問題を準備するため、過去の問題の点検中に発覚し、学外からも指摘があったということです。
大学はこの問題を満点として採点し直し、文学部を受験していた1人を新たに合格者としました。
大阪大学の西尾総長は、「合格者の進路に極めて大きな影響を及ぼす事態で深く反省するとともに、お詫びを申し上げます」とコメントし、合格者の意向に沿って対応していきたいとしています。
0pt
0pt
331名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 10:00
>>327
きちんと対応していて誠実さが感じられる。
この事から考えても、化学は出題ミスではなかった事がわかる。
出題ミスなら対応されてるはずだから。
>>327
きちんと対応していて誠実さが感じられる。
この事から考えても、化学は出題ミスではなかった事がわかる。
出題ミスなら対応されてるはずだから。
14pt
0pt
332名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 10:01
>>331
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>331
以下、著者に引用の許可をいただいています。
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
12pt
0pt
333名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 10:04
これだけ丁寧に解説してくれている人がいるんだから、出題ミスではないですね。
説明がないと書き込んでいる人は難癖つけてるだけです。
関西風に言うと、イチャモンつけてるだけ。
おそらく不合格だった事を認めたくないんでしょう。
チンピラみたいな事はやめましょう。
これだけ丁寧に解説してくれている人がいるんだから、出題ミスではないですね。
説明がないと書き込んでいる人は難癖つけてるだけです。
関西風に言うと、イチャモンつけてるだけ。
おそらく不合格だった事を認めたくないんでしょう。
チンピラみたいな事はやめましょう。
21pt
0pt
335名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 10:22
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだ!って煽るから、アホな受験生がそれを信じて被害者ヅラ。
「出題ミスのせいで不合格になった」とかよく言うわ。
完全に実力不足やろ。
「説明ない」って言ってる奴は「私はアホです」って言ってるのと同じ。
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだ!って煽るから、アホな受験生がそれを信じて被害者ヅラ。
「出題ミスのせいで不合格になった」とかよく言うわ。
完全に実力不足やろ。
「説明ない」って言ってる奴は「私はアホです」って言ってるのと同じ。
38pt
0pt
340名前を書き忘れた受験生 2023/06/08 13:31
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
23pt
0pt
348名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 04:51
>>343
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>343
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
30pt
0pt
350名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 11:35
>>349
正しい知識を匿名掲示板から得ようとするのに、まず無理がありますね。
答えられる人がいても答える義務もないですし。
人に頼っている時点でロクな大学に合格しないでしょう。
そもそも、ここで説明がないと、書き込んでいる人は、阪大が出題ミスをしているという認識を改めていません。
コピペであろうが、正しい説明を理解する気がないようです。
そのような姿勢なので、不合格だったんでしょう。
柔軟な思考とはほど遠いですから。
あなたも同じ匂いがします。
来年不合格にならなければ良いですね。
>>349
正しい知識を匿名掲示板から得ようとするのに、まず無理がありますね。
答えられる人がいても答える義務もないですし。
人に頼っている時点でロクな大学に合格しないでしょう。
そもそも、ここで説明がないと、書き込んでいる人は、阪大が出題ミスをしているという認識を改めていません。
コピペであろうが、正しい説明を理解する気がないようです。
そのような姿勢なので、不合格だったんでしょう。
柔軟な思考とはほど遠いですから。
あなたも同じ匂いがします。
来年不合格にならなければ良いですね。
6pt
0pt
351名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 11:53
>>349
ここに来てる阪大生がなんで説明しなきゃあかんの?
自分で考えたらいいやん?
まず東大院卒の人の解説は理解できてんの?
>他大学の掲示板では、質問すると沢山の現役生が色んな意見を返してくださいます。
へー!
具体的にどこの掲示板?
そんなスレ見たことないけど?
>先生や塾講以外で現役の方々の説明を聞いて、阪大の傾向や高校では得られないような知識を得ようと思いますが、他のサイトへ行った方が良さそうですよ。
これマジで書いてる?
先生や塾講以外で現役の大学生から知識を得る???
この阪大の化学の問題すら出題ミスだと思ってる人もいるのに?
それこそ、東大院卒の方の化学ブログを熟読する方がよっぽど賢くなる。
>阪大落ちの人達をバカにしたり、阪大生でなくても残念な書き込みばかりですね。
阪大落ちの人達を馬鹿にしてるのではなく、いつまでも出題ミスだと、筋違いのいちゃもんをつけてる人を馬鹿にしてるってわからへん?
>現役生や浪人生が、やっぱり阪大を目指そう!て思える会話をして欲しいと願います。
そもそもこのスレ自体が阪大が出題ミスをしていると思い込んでいる時点で、阪大に対して失礼ちゃう?
心配せんくても、阪大は理系として充分誇れる大学だし、あなたのような能書きばかり垂れてる人は合格できないから阪大生になることもない。
阪大レベルの大学は大学側に選ぶ権利があるから。
>>349
ここに来てる阪大生がなんで説明しなきゃあかんの?
自分で考えたらいいやん?
まず東大院卒の人の解説は理解できてんの?
>他大学の掲示板では、質問すると沢山の現役生が色んな意見を返してくださいます。
へー!
具体的にどこの掲示板?
そんなスレ見たことないけど?
>先生や塾講以外で現役の方々の説明を聞いて、阪大の傾向や高校では得られないような知識を得ようと思いますが、他のサイトへ行った方が良さそうですよ。
これマジで書いてる?
先生や塾講以外で現役の大学生から知識を得る???
この阪大の化学の問題すら出題ミスだと思ってる人もいるのに?
それこそ、東大院卒の方の化学ブログを熟読する方がよっぽど賢くなる。
>阪大落ちの人達をバカにしたり、阪大生でなくても残念な書き込みばかりですね。
阪大落ちの人達を馬鹿にしてるのではなく、いつまでも出題ミスだと、筋違いのいちゃもんをつけてる人を馬鹿にしてるってわからへん?
>現役生や浪人生が、やっぱり阪大を目指そう!て思える会話をして欲しいと願います。
そもそもこのスレ自体が阪大が出題ミスをしていると思い込んでいる時点で、阪大に対して失礼ちゃう?
心配せんくても、阪大は理系として充分誇れる大学だし、あなたのような能書きばかり垂れてる人は合格できないから阪大生になることもない。
阪大レベルの大学は大学側に選ぶ権利があるから。
5pt
0pt
352名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 12:01
>>349
投稿者名が、阪大パトロールって、素性がバレてるけど?
しかも、by阪大志望の現役生 って、嘘がバレバレ。
阪大落ちて二浪目突入の浪人かよ。
だいたい、現役生が平日の朝の9時台に書き込みしてないわな。
嘘バレたな。
>>349
投稿者名が、阪大パトロールって、素性がバレてるけど?
しかも、by阪大志望の現役生 って、嘘がバレバレ。
阪大落ちて二浪目突入の浪人かよ。
だいたい、現役生が平日の朝の9時台に書き込みしてないわな。
嘘バレたな。
19pt
0pt
353名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 12:18
平日の朝9時台なら現役は高校で授業受けてるはずやもんな。
やっぱりな、予想通り。
阪大不合格になった奴が難癖つけてるだけやったな。
平日の朝9時台なら現役は高校で授業受けてるはずやもんな。
やっぱりな、予想通り。
阪大不合格になった奴が難癖つけてるだけやったな。
10pt
0pt
357名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 14:42
>>355
二浪の奴の方がよっぽど笑える
現役阪大志望とか、自分で恥ずかしない?ww
こんなんじゃ、来年また不合格確定!
>>355
二浪の奴の方がよっぽど笑える
現役阪大志望とか、自分で恥ずかしない?ww
こんなんじゃ、来年また不合格確定!
15pt
0pt
360名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 14:48
>>354
餌まくどころか素性がバレちゃったねw
この掲示板、一度でもお名前に記入すると、次回から自動入力になってるんだよね。
うっかり名前消し忘れたんだろうけど、現役阪大志望生って、やっちまたなぁ!
>>354
餌まくどころか素性がバレちゃったねw
この掲示板、一度でもお名前に記入すると、次回から自動入力になってるんだよね。
うっかり名前消し忘れたんだろうけど、現役阪大志望生って、やっちまたなぁ!
0pt
0pt
366名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 14:53
>>362
阪大生にならんとってくれ!
皆、迷惑やから。
ま、この掲示板で説明ないって書いてる間は合格することできひんで。
>>362
阪大生にならんとってくれ!
皆、迷惑やから。
ま、この掲示板で説明ないって書いてる間は合格することできひんで。
0pt
0pt
373名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 15:00
>>370
大学の授業は余裕やからご心配なく!
それよりも、まずは自分の心配したら?
来年の春、大学生になられへんかったら大変やで!
また悲劇を繰り返すんか?
親泣くで!
こんなとこで書き込みしてる場合ちゃうやろ
>>370
大学の授業は余裕やからご心配なく!
それよりも、まずは自分の心配したら?
来年の春、大学生になられへんかったら大変やで!
また悲劇を繰り返すんか?
親泣くで!
こんなとこで書き込みしてる場合ちゃうやろ
0pt
0pt
380名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 15:09
そもそもこの化学の問題で自分が落ちたと思ってるヤツ、それが自分の実力やろ。
そこを認めん限り、何も成長せえへん
来年もまた落ちるだけやで
そもそもこの化学の問題で自分が落ちたと思ってるヤツ、それが自分の実力やろ。
そこを認めん限り、何も成長せえへん
来年もまた落ちるだけやで
0pt
0pt
382名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 15:12
>>379
名前をわざわざ阪大パトロールにする意味ないやん
つまりいつものように書いてたら、いつもの名前が自動入力されてしまってんな
で、バレバレになったと。
あんなマジの長文書いといて、しかも現役阪大志望とか書いて、恥ずかしくないん?
浪人やねんから素直に勉強しろよ
>>379
名前をわざわざ阪大パトロールにする意味ないやん
つまりいつものように書いてたら、いつもの名前が自動入力されてしまってんな
で、バレバレになったと。
あんなマジの長文書いといて、しかも現役阪大志望とか書いて、恥ずかしくないん?
浪人やねんから素直に勉強しろよ
9pt
0pt
388名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 15:21
浪人は前半で差をつけとかないと後半現役生にめちゃめちゃ抜かれるで
8月の模試までA判定でも、その後どんでん返しなんかザラやから
出題ミスという思い込みがある間はどんどん合格は遠くなるで
その方がいいけどな
こんな奴、阪大生になって欲しくないから
浪人は前半で差をつけとかないと後半現役生にめちゃめちゃ抜かれるで
8月の模試までA判定でも、その後どんでん返しなんかザラやから
出題ミスという思い込みがある間はどんどん合格は遠くなるで
その方がいいけどな
こんな奴、阪大生になって欲しくないから
0pt
0pt
390名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 15:29
>>387
合格した時、親が1番喜んでくれたからな
だから単位も研究室も絶対に手ぬかへん
文句なしのGPAで院進学するつもり
浪人は、浪人っていうだけで親泣かしてるんやで
こんな掲示板に入り浸って、説明ないって繰り返してるだけって何やねん
親泣かすなよ!
>>387
合格した時、親が1番喜んでくれたからな
だから単位も研究室も絶対に手ぬかへん
文句なしのGPAで院進学するつもり
浪人は、浪人っていうだけで親泣かしてるんやで
こんな掲示板に入り浸って、説明ないって繰り返してるだけって何やねん
親泣かすなよ!
0pt
0pt
396名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 15:38
ここで、説明ないって書いてる人間が阪大生やったら嫌やなって思ってた
阪大生じゃなくて浪人で良かった
しかも二浪とか怖すぎ
二浪中やのに、こんな事してる場合ちゃうやろ
ここで、説明ないって書いてる人間が阪大生やったら嫌やなって思ってた
阪大生じゃなくて浪人で良かった
しかも二浪とか怖すぎ
二浪中やのに、こんな事してる場合ちゃうやろ
0pt
0pt
397名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 15:40
>>395
それ、自分にブーメランやろ
思い込み激しく柔軟な思考がないから、出題ミスやと思い込んでいたってことやろ
頭の悪いユーチューバーにあおられて、アホやな
>>395
それ、自分にブーメランやろ
思い込み激しく柔軟な思考がないから、出題ミスやと思い込んでいたってことやろ
頭の悪いユーチューバーにあおられて、アホやな
25pt
0pt
401名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 15:50
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
406名前を書き忘れた受験生 2023/06/09 20:56
阪大生さんと浪人生?さん、日中、盛り上がってたじゃないですか
もしかして浪人生に疑われてる人って、他大学掲示板で煽ってた人でないですか?
そうだとしたら、阪大生さんは見事に釣られてしまいましたね。
阪大生さんは、阪大の理系(工学?基礎工)で1.2回生、関西人の男性ですよね。
一方、浪人生?さんは、大学生なのか、浪人生なのか、高校生なのか、社会人なのか、関西なのか、関東なのか。男性なのか、女性なのか、まったくわかりません。
阪大生さん、たかが掲示板でまともに相手していたら危険ですよ。
それこそ親が泣いちゃいますよ。
阪大生さんと浪人生?さん、日中、盛り上がってたじゃないですか
もしかして浪人生に疑われてる人って、他大学掲示板で煽ってた人でないですか?
そうだとしたら、阪大生さんは見事に釣られてしまいましたね。
阪大生さんは、阪大の理系(工学?基礎工)で1.2回生、関西人の男性ですよね。
一方、浪人生?さんは、大学生なのか、浪人生なのか、高校生なのか、社会人なのか、関西なのか、関東なのか。男性なのか、女性なのか、まったくわかりません。
阪大生さん、たかが掲示板でまともに相手していたら危険ですよ。
それこそ親が泣いちゃいますよ。
0pt
38pt
408名前を書き忘れた受験生 2023/06/10 05:41
>>405
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>405
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
30pt
0pt
409名前を書き忘れた受験生 2023/06/10 05:45
さかのぼって読んだら、説明ないを繰り返している阪大パトロールって二浪目突入の浪人だったんですね。
結局、落ちた腹いせですか?
みっともない。
さかのぼって読んだら、説明ないを繰り返している阪大パトロールって二浪目突入の浪人だったんですね。
結局、落ちた腹いせですか?
みっともない。
38pt
0pt
410名前を書き忘れた受験生 2023/06/10 07:12
>>406
しっかり読んでてその考察?
それなら内容を読めてないバカなのかな。
それとも本人が誤魔化すのに必死って感じ?
浪人生に疑われてる人は他大学掲示板で煽ってた人ではなく、ここで、説明ないを繰り返していた阪大パトロール。
しかも、現役阪大志望生のフリして真面目に長文を書いてたら名前が自動入力されて阪大パトロールとバレてしまった。
あれ見たら誰でもそう判断するね。
しかも書き込んでる時間から、現役や社会人はありえない。
大学生か浪人ってことになるけど、阪大の出題ミスだと思い込みたい人物でありこのしつこさから考えて浪人。
しかもこの化学の問題で落ちた人だから年数的に二浪目突入の浪人。
こんな事してたら、それこそ親が泣くね。
来年も不合格確定だろうし、いつまで経っても阪大生にはなれない。
残念。
>>406
しっかり読んでてその考察?
それなら内容を読めてないバカなのかな。
それとも本人が誤魔化すのに必死って感じ?
浪人生に疑われてる人は他大学掲示板で煽ってた人ではなく、ここで、説明ないを繰り返していた阪大パトロール。
しかも、現役阪大志望生のフリして真面目に長文を書いてたら名前が自動入力されて阪大パトロールとバレてしまった。
あれ見たら誰でもそう判断するね。
しかも書き込んでる時間から、現役や社会人はありえない。
大学生か浪人ってことになるけど、阪大の出題ミスだと思い込みたい人物でありこのしつこさから考えて浪人。
しかもこの化学の問題で落ちた人だから年数的に二浪目突入の浪人。
こんな事してたら、それこそ親が泣くね。
来年も不合格確定だろうし、いつまで経っても阪大生にはなれない。
残念。
42pt
0pt
411名前を書き忘れた受験生 2023/06/10 07:32
>>407
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>407
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
12pt
0pt
415名前を書き忘れた受験生 2023/06/10 11:50
>>413
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>413
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
16pt
0pt
418名前を書き忘れた受験生 2023/06/10 12:26
>>413
説明ないマン、さすがにあとがないぞ!
二浪までは就活でもノーカンやけど、流石に3浪はどこの企業でも必ず理由きかれるぞ!
>>413
説明ないマン、さすがにあとがないぞ!
二浪までは就活でもノーカンやけど、流石に3浪はどこの企業でも必ず理由きかれるぞ!
19pt
3pt
420名前を書き忘れた受験生 2023/06/10 22:05
>>419
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>419
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
422名前を書き忘れた受験生 2023/06/11 06:54
>>421
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>421
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
425名前を書き忘れた受験生 2023/06/11 11:20
>>423
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店
>>423
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店
0pt
0pt
428名前を書き忘れた受験生 2023/06/11 17:38
>>427
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>427
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
430名前を書き忘れた受験生 2023/06/11 21:55
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだ!って煽るから、アホな受験生がそれを信じて被害者ヅラ。
「出題ミスのせいで不合格になった」とかよく言うよなー。
完全に実力不足。
「説明ない」って言ってる奴は「私はアホです」って言ってるのと同じ。
YouTubeでバカな奴らが出題ミスだ!って煽るから、アホな受験生がそれを信じて被害者ヅラ。
「出題ミスのせいで不合格になった」とかよく言うよなー。
完全に実力不足。
「説明ない」って言ってる奴は「私はアホです」って言ってるのと同じ。
12pt
0pt
431名前を書き忘れた受験生 2023/06/11 22:10
あの問題の条件が意図したものかは全く分からんが、過去に出題ミスでかなりやらかしてる阪大が大門一個で別解が数百個ある問題出すのはちょっとね、、、
あの問題の条件が意図したものかは全く分からんが、過去に出題ミスでかなりやらかしてる阪大が大門一個で別解が数百個ある問題出すのはちょっとね、、、
118pt
43pt
432名前を書き忘れた受験生 2023/06/11 22:13
>>431
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>431
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
20pt
0pt
433名前を書き忘れた受験生 2023/06/12 08:51
東大院卒が問題ないと解説しているから問題ないんだ!
神様!仏様!東大院卒様!以上の解説はないんだ!
たしかに解説の通りだと思いますが、なんだかね。
東大院卒が問題ないと解説しているから問題ないんだ!
神様!仏様!東大院卒様!以上の解説はないんだ!
たしかに解説の通りだと思いますが、なんだかね。
2pt
5pt
436名前を書き忘れた受験生 2023/06/12 12:13
>>435
言わんとすることはわからなくはないですが、「あほ」との発言はいかがなものか、、、
阪大生というより、人としてどうでしょ?
>>435
言わんとすることはわからなくはないですが、「あほ」との発言はいかがなものか、、、
阪大生というより、人としてどうでしょ?
94pt
0pt
437名前を書き忘れた受験生 2023/06/12 15:18
>>433
実際に東大院卒以上の解説ができる人がこの掲示板にくると考えてますか?
ゼロ番に貼っている動画の化学の高校教師は非常に低レベルです。
受験生を煽るだけ煽って、実は出題ミスではないとわかった今、何の訂正もしていません。
動画視聴数を稼ぎたかっただけでしょう。
東大院卒の方が阪大の化学の問題は出題ミスではないと書いた記事が出たのは、昨年の3月末でした。
出題ミスだと思い込まずに、ネットで広く検索すればすぐにヒットしたはずです。
それもしないで、こんなスレを12まで続けている人はやはりおかしな人と言うしかないでしょう。
>>433
実際に東大院卒以上の解説ができる人がこの掲示板にくると考えてますか?
ゼロ番に貼っている動画の化学の高校教師は非常に低レベルです。
受験生を煽るだけ煽って、実は出題ミスではないとわかった今、何の訂正もしていません。
動画視聴数を稼ぎたかっただけでしょう。
東大院卒の方が阪大の化学の問題は出題ミスではないと書いた記事が出たのは、昨年の3月末でした。
出題ミスだと思い込まずに、ネットで広く検索すればすぐにヒットしたはずです。
それもしないで、こんなスレを12まで続けている人はやはりおかしな人と言うしかないでしょう。
160pt
83pt
440名前を書き忘れた受験生 2023/06/12 21:09
>>438
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>438
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
11pt
0pt
441名前を書き忘れた受験生 2023/06/12 21:18
説明ないマンにが阪大生じゃなくて良かった
浪人生だとしても本当に気持ち悪い
現実を認めようとしないあたり、かなりの社会不適合者だと思われる
説明ないマンにが阪大生じゃなくて良かった
浪人生だとしても本当に気持ち悪い
現実を認めようとしないあたり、かなりの社会不適合者だと思われる
155pt
48pt
445名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 04:40
>>442
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>442
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
447名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 08:03
>>446
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>446
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
449名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 12:39
>>448
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>448
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
451名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 14:22
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
453名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 15:02
>>452
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>452
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
455名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 16:00
>>454
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>454
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
458名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 18:08
>>456
もう諦めなさい。
阪大生は全員、>>456の内容を理解しています。
理解出来れば、晴れて阪大生の一員だよ。
>>456
もう諦めなさい。
阪大生は全員、>>456の内容を理解しています。
理解出来れば、晴れて阪大生の一員だよ。
28pt
0pt
459名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 18:50
>>456
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>456
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
462名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 23:05
>>460
阪大を受験しようと考えている受験生がここのスレを見た時、どう思うんかな?
受験に失敗した人が亡霊のように説明ないを繰り返しているスレって怖すぎる
>>460
阪大を受験しようと考えている受験生がここのスレを見た時、どう思うんかな?
受験に失敗した人が亡霊のように説明ないを繰り返しているスレって怖すぎる
0pt
0pt
463名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 23:09
>>460
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。が、一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さが重要な問題である。
>>460
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。が、一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さが重要な問題である。
0pt
0pt
465名前を書き忘れた受験生 2023/06/13 23:53
>>464
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>464
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
470名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 10:11
単純に、説明ない というコメントが続く限り、それの回答も続くだけ。
阪大に落ちて悔しい人間が、いちゃもんつけてるだけのスレに回答をつけてくれている人がいるだけでもありがたい。
単純に、説明ない というコメントが続く限り、それの回答も続くだけ。
阪大に落ちて悔しい人間が、いちゃもんつけてるだけのスレに回答をつけてくれている人がいるだけでもありがたい。
32pt
0pt
472名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 10:17
広くネット検索をしたら、すぐに阪大の出題ミスではないとする意見や回答やコメントも見つけることができたのに、それもしないで、こんなくだらないスレを、その12まで続けている人って本当におかしな人と言うしかない。
広くネット検索をしたら、すぐに阪大の出題ミスではないとする意見や回答やコメントも見つけることができたのに、それもしないで、こんなくだらないスレを、その12まで続けている人って本当におかしな人と言うしかない。
19pt
0pt
475名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 10:40
>>472
くだらないスレに反応してるじゃんw
みんな反応するから書いてるんじゃね?
誰も反応しなかったら、その12まで続いてなかったんじゃね?
何も反応しなきゃいいじゃん!
何人が書き込みしてるのか分かんないけど、一人で1000スレは大変っしょ!
>>472
くだらないスレに反応してるじゃんw
みんな反応するから書いてるんじゃね?
誰も反応しなかったら、その12まで続いてなかったんじゃね?
何も反応しなきゃいいじゃん!
何人が書き込みしてるのか分かんないけど、一人で1000スレは大変っしょ!
10pt
6pt
476名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 11:02
>>475
過去スレ見てみ
誰も反応してなくても説明ないマンが一人でスレ埋めてるから
まさに異常
それに回答をつけてくれる人が現れてありがたい事やで
>>475
過去スレ見てみ
誰も反応してなくても説明ないマンが一人でスレ埋めてるから
まさに異常
それに回答をつけてくれる人が現れてありがたい事やで
13pt
0pt
477名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 11:03
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
482名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 13:33
>>481
駿台の青本以上の解説ができる人がどれだけいるか?
きっとほとんどいないだろうな。
まぁ、この化学の解説のように、ネットで有益な解説を探す事もできるわけだが。
>>481
駿台の青本以上の解説ができる人がどれだけいるか?
きっとほとんどいないだろうな。
まぁ、この化学の解説のように、ネットで有益な解説を探す事もできるわけだが。
3pt
0pt
483名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 14:19
>>482
この掲示板だけを参考に勉強しようと思っている受験生は皆無でしょう。
息抜き?で、ここへたまたま来た受験生が下記の解説(今回は引用であるが)をみたら、記憶には残るのではないかと...
この掲示板が良いとか悪いとかは別として、これだけリピートされると理解できますよね。
この掲示板ではなく、専用の掲示板を作れば?
て、話ですけどね。笑
>>482
この掲示板だけを参考に勉強しようと思っている受験生は皆無でしょう。
息抜き?で、ここへたまたま来た受験生が下記の解説(今回は引用であるが)をみたら、記憶には残るのではないかと...
この掲示板が良いとか悪いとかは別として、これだけリピートされると理解できますよね。
この掲示板ではなく、専用の掲示板を作れば?
て、話ですけどね。笑
4pt
0pt
484名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 15:47
>>483
受験生でこんなスレ来てたら落ちると思うわ。ドラゴン桜でもやってたように、“勉強の休憩も勉強”(息抜きは違う勉強をする)ぐらいやらんと。
阪大はなめてて合格できる大学ちゃうやろ。
>>483
受験生でこんなスレ来てたら落ちると思うわ。ドラゴン桜でもやってたように、“勉強の休憩も勉強”(息抜きは違う勉強をする)ぐらいやらんと。
阪大はなめてて合格できる大学ちゃうやろ。
14pt
50pt
486名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 16:30
>>484
阪大受験生は息抜きの時間も勉強しないと無理ってw
だったら、東大京大の受験生は睡眠時間も勉強しないといけないじゃん。
勉強しかしてこなかった子も居てるかもしれないけど...
趣味に時間とったり部活動を頑張ったり...
阪大生の中には塾にも行かずに合格している人、沢山いるでしょ。
>>484
阪大受験生は息抜きの時間も勉強しないと無理ってw
だったら、東大京大の受験生は睡眠時間も勉強しないといけないじゃん。
勉強しかしてこなかった子も居てるかもしれないけど...
趣味に時間とったり部活動を頑張ったり...
阪大生の中には塾にも行かずに合格している人、沢山いるでしょ。
129pt
0pt
491名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 17:08
>>486
あまりにも受験生の実態を知らなさすぎ。
能天気コメントから私大文系と予想するw
それと、今どき睡眠時間を削って勉強してたら、逆にマイナスよ。
記憶の定着には、睡眠は必須だから。
これ常識。
>>486
あまりにも受験生の実態を知らなさすぎ。
能天気コメントから私大文系と予想するw
それと、今どき睡眠時間を削って勉強してたら、逆にマイナスよ。
記憶の定着には、睡眠は必須だから。
これ常識。
0pt
0pt
495名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 17:13
>>491
阪大は息抜きも勉強しないと合格しないて言ってる人がいたから、例えばの話じゃんw
そんなにムキにならないでよ
>>491
阪大は息抜きも勉強しないと合格しないて言ってる人がいたから、例えばの話じゃんw
そんなにムキにならないでよ
15pt
0pt
496名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 17:13
>>492
少しねぇ?
その少数は中高一貫で学校に行ってれば塾不要の学校やろ?
実際、入学して中高一貫の奴らはつるんでる奴ら多いなぁって思うわ。
男子校のノリがウンザリ。
>>492
少しねぇ?
その少数は中高一貫で学校に行ってれば塾不要の学校やろ?
実際、入学して中高一貫の奴らはつるんでる奴ら多いなぁって思うわ。
男子校のノリがウンザリ。
0pt
0pt
499名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 18:59
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
503名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 21:03
>>502
何言ってんの?
変人で有名なのは京大でしょ?
それが京大生の特色でもあり、魅力でもある。
天才と変人は紙一重なんだよね。
だから、京大はノーベル賞受賞者が日本で一番多い。
>>502
何言ってんの?
変人で有名なのは京大でしょ?
それが京大生の特色でもあり、魅力でもある。
天才と変人は紙一重なんだよね。
だから、京大はノーベル賞受賞者が日本で一番多い。
9pt
0pt
504名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 21:05
>>500
スタサプだけで合格した人はいましたよ!
去年合格した人で、スタサプでどんな授業をとっていたか詳しく書いてくれてました。
まぁスタサプも塾みたいなもんですが。
>>500
スタサプだけで合格した人はいましたよ!
去年合格した人で、スタサプでどんな授業をとっていたか詳しく書いてくれてました。
まぁスタサプも塾みたいなもんですが。
0pt
0pt
508名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 21:11
>>503
京大生の卒業式は有名ですもんね。
テレビの取材も入るぐらいだから。
あのコスプレ見てると変人だなと思いますね。
>>503
京大生の卒業式は有名ですもんね。
テレビの取材も入るぐらいだから。
あのコスプレ見てると変人だなと思いますね。
0pt
0pt
516名前を書き忘れた受験生 2023/06/14 22:37
>>0
この動画が罪深い。
この動画に煽られて、出題ミスだと思い込み恨みつらみを持った受験生が多そう。
高校の化学の先生って本当かな。
低レベルだな。
>>0
この動画が罪深い。
この動画に煽られて、出題ミスだと思い込み恨みつらみを持った受験生が多そう。
高校の化学の先生って本当かな。
低レベルだな。
36pt
0pt
518名前を書き忘れた受験生 2023/06/15 07:59
>>517
多様な考え方???
出題ミスでもないのに出題ミスと断定することを、多様な考え方とは言いません。
動画投稿者は受験生を煽るだけ煽ったのだから、きちんと出題ミスではなかったと訂正及び謝罪すべきです。
>>517
多様な考え方???
出題ミスでもないのに出題ミスと断定することを、多様な考え方とは言いません。
動画投稿者は受験生を煽るだけ煽ったのだから、きちんと出題ミスではなかったと訂正及び謝罪すべきです。
58pt
113pt
520名前を書き忘れた受験生 2023/06/15 08:34
2020年11月4日、ネット上の掲示板に○○大学と△△県立大学を爆破すると書き込み、両大学の授業を休講させたなどとして、●●容疑者を威力業務妨害の疑いで逮捕した。
●●容疑者は大阪大学の大学院理学研究科に通う秀才で、大学3回生の時にはサイエンス・インカレでトップの成績をおさめ、文部科学大臣表彰を受賞している。
同じ研究室に所属していた後輩男性は●●容疑者のある異変に気づいていた。
「理学部生物科学科の卒論は他学部と比べてもとくにキツイんです。●●さんは卒論の合間にネットで愚痴を吐くのが気晴らしだと言っていました。そこで誰かに向けた誹謗中傷などを日常的に行っていたそうです。」
2020年11月4日、ネット上の掲示板に○○大学と△△県立大学を爆破すると書き込み、両大学の授業を休講させたなどとして、●●容疑者を威力業務妨害の疑いで逮捕した。
●●容疑者は大阪大学の大学院理学研究科に通う秀才で、大学3回生の時にはサイエンス・インカレでトップの成績をおさめ、文部科学大臣表彰を受賞している。
同じ研究室に所属していた後輩男性は●●容疑者のある異変に気づいていた。
「理学部生物科学科の卒論は他学部と比べてもとくにキツイんです。●●さんは卒論の合間にネットで愚痴を吐くのが気晴らしだと言っていました。そこで誰かに向けた誹謗中傷などを日常的に行っていたそうです。」
7pt
0pt
522名前を書き忘れた受験生 2023/06/15 10:36
>>520
バカだな。
しょうもない事して自分の人生台無し。
逮捕歴があるので就活は絶望だろうし。
何考えてたんだか。
>>520
バカだな。
しょうもない事して自分の人生台無し。
逮捕歴があるので就活は絶望だろうし。
何考えてたんだか。
42pt
0pt
528名前を書き忘れた受験生 2023/06/15 12:12
やっぱり柔軟な思考は大切よ。
動画で出題ミスだって言ってる人がいても、それが真実とは限らないんだからさ。
受験生煽って動画視聴数を稼ぎたいだけだったりするんだから。
広くいろんな意見を探してみないとね。
やっぱり柔軟な思考は大切よ。
動画で出題ミスだって言ってる人がいても、それが真実とは限らないんだからさ。
受験生煽って動画視聴数を稼ぎたいだけだったりするんだから。
広くいろんな意見を探してみないとね。
29pt
0pt
530名前を書き忘れた受験生 2023/06/15 13:44
>>529
解説サイトを貼りまくってる人はだいじ。
その人がいるおかげで、出題ミスじゃない事もわかるし、受験生に柔軟な考え方を知らせる事もできるんだから。
この動画がある限り、解説サイトを貼る人は必要。
初めてここに来た人が、出題ミスだと思い込んだら、かわいそうだから。
>>529
解説サイトを貼りまくってる人はだいじ。
その人がいるおかげで、出題ミスじゃない事もわかるし、受験生に柔軟な考え方を知らせる事もできるんだから。
この動画がある限り、解説サイトを貼る人は必要。
初めてここに来た人が、出題ミスだと思い込んだら、かわいそうだから。
18pt
0pt
539名前を書き忘れた受験生 2023/06/15 19:49
>>537
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>537
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
540名前を書き忘れた受験生 2023/06/15 20:00
>>536
別解の存在ってそんなに重要か?
以下のように考えたら良いと、東大院卒の人も説明してくれてるのに。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。
一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。
FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さが大切。
>>536
別解の存在ってそんなに重要か?
以下のように考えたら良いと、東大院卒の人も説明してくれてるのに。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。
一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。
FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さが大切。
0pt
0pt
543名前を書き忘れた受験生 2023/06/15 20:22
>>541
あの東大院卒以上の説明ができる阪大生がいると思ってるのが、すでに何もわかってない証拠ww
化学専門の著書まで出してる東大院卒以上の阪大生がいるわけないw
>>541
あの東大院卒以上の説明ができる阪大生がいると思ってるのが、すでに何もわかってない証拠ww
化学専門の著書まで出してる東大院卒以上の阪大生がいるわけないw
42pt
0pt
545名前を書き忘れた受験生 2023/06/15 20:27
>>542
阪大生なりの説明???
何それ?
そんなん必要か?
最上級の解説があるのに、阪大生なりの説明なんか不必要だとわからない人って何?
>>542
阪大生なりの説明???
何それ?
そんなん必要か?
最上級の解説があるのに、阪大生なりの説明なんか不必要だとわからない人って何?
17pt
0pt
547名前を書き忘れた受験生 2023/06/15 20:33
>>536
過去にあったかどうかは関係ない。
今後、この手の問題がまた出る可能性もあるわけだから、解けるようになっておく事が重要。
しょうもないことにこだわっていると、来年もまた落ちちゃうよ。
>>536
過去にあったかどうかは関係ない。
今後、この手の問題がまた出る可能性もあるわけだから、解けるようになっておく事が重要。
しょうもないことにこだわっていると、来年もまた落ちちゃうよ。
23pt
0pt
554名前を書き忘れた受験生 2023/06/16 05:15
>>548
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>548
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
4pt
0pt
558名前を書き忘れた受験生 2023/06/16 08:53
>>549
へっ?
阪大生だからわかるけど、東大院卒レベルで化学の専門書まで書くような阪大生はいない。
浪人生にはわからないだろうが。
>>549
へっ?
阪大生だからわかるけど、東大院卒レベルで化学の専門書まで書くような阪大生はいない。
浪人生にはわからないだろうが。
26pt
5pt
559名前を書き忘れた受験生 2023/06/16 09:43
>>0
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>0
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
564名前を書き忘れた受験生 2023/06/16 16:21
C原子を18にしても別の答えが出る。
この後の流れを見るとHがどう考えても無水フタル酸なので、わざわざC原子=18と考える理由がない。
分子量300以下という条件設定のせいで複数解答が考えられる以上、条件を満たす解答を1個書いてあれば正解とするのが妥当。
C原子を18にしても別の答えが出る。
この後の流れを見るとHがどう考えても無水フタル酸なので、わざわざC原子=18と考える理由がない。
分子量300以下という条件設定のせいで複数解答が考えられる以上、条件を満たす解答を1個書いてあれば正解とするのが妥当。
0pt
0pt
565名前を書き忘れた受験生 2023/06/16 20:29
>>560
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>560
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
566名前を書き忘れた受験生 2023/06/16 22:22
>>565
プロフィールをコピペしてくるとは...
さては、何歳位かも知らないでしょ?
著書(共著ですが)、もちろん持ってますよね?
いかにも先生の事をよく知ってる風に思えたものですから。
どうでもいい話ですね。
>>565
プロフィールをコピペしてくるとは...
さては、何歳位かも知らないでしょ?
著書(共著ですが)、もちろん持ってますよね?
いかにも先生の事をよく知ってる風に思えたものですから。
どうでもいい話ですね。
0pt
0pt
567名前を書き忘れた受験生 2023/06/17 07:05
>>0
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>0
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
569名前を書き忘れた受験生 2023/06/20 09:06
>>568
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>568
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
572名前を書き忘れた受験生 2023/06/21 11:40
>>571
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>571
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
24pt
0pt
575名前を書き忘れた受験生 2023/06/23 12:11
>>574
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>574
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
577名前を書き忘れた受験生 2023/06/27 03:48
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
578名前を書き忘れた受験生 2023/06/27 03:48
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
579名前を書き忘れた受験生 2023/06/27 03:49
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
581名前を書き忘れた受験生 2023/06/29 06:44
>>580
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>580
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
1pt
584名前を書き忘れた受験生 2023/07/01 23:24
>>583
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>583
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
585名前を書き忘れた受験生 2023/07/01 23:24
>>583
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>583
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
589名前を書き忘れた受験生 2023/07/03 14:59
>>588
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>588
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
592名前を書き忘れた受験生 2023/07/09 06:45
>>590
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>590
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
593名前を書き忘れた受験生 2023/07/09 06:47
>>591
そう、以下が事実と判明した
投稿者名が、阪大パトロールって、素性がバレてるけど?
しかも、by阪大志望の現役生 って、嘘がバレバレ。
阪大落ちて二浪目突入の浪人かよ。
だいたい、現役生が平日の朝の9時台に書き込みしてないわな。
嘘バレたな。
>>591
そう、以下が事実と判明した
投稿者名が、阪大パトロールって、素性がバレてるけど?
しかも、by阪大志望の現役生 って、嘘がバレバレ。
阪大落ちて二浪目突入の浪人かよ。
だいたい、現役生が平日の朝の9時台に書き込みしてないわな。
嘘バレたな。
7pt
0pt
597名前を書き忘れた受験生 2023/07/13 01:50
>>596
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>596
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
600名前を書き忘れた受験生 2023/07/15 09:33
>>599
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>599
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
602名前を書き忘れた受験生 2023/07/16 07:19
>>601
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>601
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
604名前を書き忘れた受験生 2023/07/17 06:20
https://m.youtube.com/watch?v=4q7lh_Nlj9s&list=PLKXngCLiFHmTboiFAnQQf8jfosz-3SIX6&index=20&pp=iAQB
https://m.youtube.com/watch?v=4q7lh_Nlj9s&list=PLKXngCLiFHmTboiFAnQQf8jfosz-3SIX6&index=20&pp=iAQB
0pt
28pt
605名前を書き忘れた受験生 2023/07/18 19:05
>>603
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>603
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
608名前を書き忘れた受験生 2023/07/20 06:23
>>607
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>607
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
613名前を書き忘れた受験生 2023/07/23 23:09
>>612
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>612
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
614名前を書き忘れた受験生 2023/07/24 01:33
説明があるかなかろうが関係ねえ
ちゃんと知識のあるやつならあれぐらい自分で判断できるだろ
過去問演習の時解答見て、「まあ普通Cが少ない方で考えるよな、その後の流れも典型的やし」て思って、何も気にとめへんかったわ
説明があるかなかろうが関係ねえ
ちゃんと知識のあるやつならあれぐらい自分で判断できるだろ
過去問演習の時解答見て、「まあ普通Cが少ない方で考えるよな、その後の流れも典型的やし」て思って、何も気にとめへんかったわ
58pt
37pt
619名前を書き忘れた受験生 2023/07/30 19:19
>>618
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>618
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
622名前を書き忘れた受験生 2023/08/01 19:21
>>620
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>620
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
624名前を書き忘れた受験生 2023/08/03 11:03
>>623
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>623
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
625名前を書き忘れた受験生 2023/08/03 12:56
大阪大学 中山健一研究室の特徴
・うつ病者や退学者を何人も出したが大学がもみ消した
・中山教授がハラスメント三昧でスタッフがよく逃げ出している
・コネで大阪大学教授になったので実力は皆無
・一緒に仕事をした先生からは無責任すぎて嫌われている
・気に入らない学生やスタッフの悪口を書いたメールをメーリングリストで全員に送信したりなど、研究室内のいじめを扇動している
・信者学生に対してはとても甘いので、調子に乗っている
・学生に指導などの仕事はほとんどしない (理不尽なパワハラはある)
・学生を潰すのが趣味、各学年一人はターゲットにされる
大阪大学 中山健一研究室の特徴
・うつ病者や退学者を何人も出したが大学がもみ消した
・中山教授がハラスメント三昧でスタッフがよく逃げ出している
・コネで大阪大学教授になったので実力は皆無
・一緒に仕事をした先生からは無責任すぎて嫌われている
・気に入らない学生やスタッフの悪口を書いたメールをメーリングリストで全員に送信したりなど、研究室内のいじめを扇動している
・信者学生に対してはとても甘いので、調子に乗っている
・学生に指導などの仕事はほとんどしない (理不尽なパワハラはある)
・学生を潰すのが趣味、各学年一人はターゲットにされる
0pt
0pt
629名前を書き忘れた受験生 2023/08/04 16:39
>>628
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>628
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
631名前を書き忘れた受験生 2023/08/05 17:59
>>630
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>630
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
633名前を書き忘れた受験生 2023/08/06 07:25
>>632
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>632
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
635名前を書き忘れた受験生 2023/08/10 18:30
>>634
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>634
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
639名前を書き忘れた受験生 2023/08/12 17:48
>>638
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>638
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
640名前を書き忘れた受験生 2023/08/12 17:55
ここのスレタイに貼り付けてある動画にでてる高校教師。
阪大の入試問題を出題ミスでもないのに出題ミスと断定し、受験生を煽るだけ煽ったのだから、きちんと出題ミスではなかったと訂正及び謝罪すべき。
ここのスレタイに貼り付けてある動画にでてる高校教師。
阪大の入試問題を出題ミスでもないのに出題ミスと断定し、受験生を煽るだけ煽ったのだから、きちんと出題ミスではなかったと訂正及び謝罪すべき。
149pt
132pt
645名前を書き忘れた受験生 2023/08/28 07:57
>>643
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>643
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
651名前を書き忘れた受験生 2023/09/12 18:05
>>650
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>650
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
654名前を書き忘れた受験生 2023/09/18 22:28
>>653
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>653
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
657名前を書き忘れた受験生 2023/09/27 17:56
>>655
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>655
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
664名前を書き忘れた受験生 2023/09/29 22:07
>>663
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>663
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
679名前を書き忘れた受験生 2023/10/10 21:27
>>678
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>678
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
681名前を書き忘れた受験生 2023/10/11 15:39
>>680
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>680
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
683名前を書き忘れた受験生 2023/10/12 01:45
>>682
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>682
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
685名前を書き忘れた受験生 2023/10/12 10:37
>>684
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>684
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
687名前を書き忘れた受験生 2023/10/12 22:51
>>686
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>686
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
690名前を書き忘れた受験生 2023/10/13 16:54
>>688
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>688
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
695名前を書き忘れた受験生 2023/10/14 17:22
>>694
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>694
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
1pt
697名前を書き忘れた受験生 2023/10/16 12:05
>>696
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>696
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
700名前を書き忘れた受験生 2023/10/24 22:50
世界初! https://m.youtube.com/watch?v=DGS2ctSbL-A&list=PLKXngCLiFHmTboiFAnQQf8jfosz-3SIX6&index=7&t=0s
世界初! https://m.youtube.com/watch?v=DGS2ctSbL-A&list=PLKXngCLiFHmTboiFAnQQf8jfosz-3SIX6&index=7&t=0s
0pt
0pt
706名前を書き忘れた受験生 2023/11/12 00:22
>>705
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>705
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
709名前を書き忘れた受験生 2023/11/27 21:57
>>708
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>708
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
711名前を書き忘れた受験生 2023/11/29 09:46
>>709
忠告
Copyright 楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説 All Rights Reserved.
>>709
忠告
Copyright 楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説 All Rights Reserved.
11pt
0pt
712名前を書き忘れた受験生 2023/11/29 23:04
>>711
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>711
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
727名前を書き忘れた受験生 2023/12/21 12:02
>>724
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>724
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
779名前を書き忘れた受験生 2024/01/13 06:17
https://m.youtube.com/watch?v=_SYHIM02Os8&list=PLKXngCLiFHmTboiFAnQQf8jfosz-3SIX6&index=13&pp=iAQB
https://m.youtube.com/watch?v=_SYHIM02Os8&list=PLKXngCLiFHmTboiFAnQQf8jfosz-3SIX6&index=13&pp=iAQB
0pt
0pt
785名前を書き忘れた受験生 2024/01/16 11:57
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
795名前を書き忘れた受験生 2024/01/19 13:11
>>788
出題ミスなんてないのに何言ってんだかw
落ちたのを出題ミスにしてるよくあるバターンww
たとえ出題みすがあったとしても合格する奴はする!
>>788
出題ミスなんてないのに何言ってんだかw
落ちたのを出題ミスにしてるよくあるバターンww
たとえ出題みすがあったとしても合格する奴はする!
0pt
0pt
796名前を書き忘れた受験生 2024/01/19 13:14
>>790
それを言うなら、粘着質に、「説明ない」を繰り返してる奴w
どんだけ暇やねんw
しかも、出題ミスではないと他大学教授や他サイトで充分解説されてる
要するに落ちた奴の負け惜しみww
>>790
それを言うなら、粘着質に、「説明ない」を繰り返してる奴w
どんだけ暇やねんw
しかも、出題ミスではないと他大学教授や他サイトで充分解説されてる
要するに落ちた奴の負け惜しみww
1pt
0pt
797名前を書き忘れた受験生 2024/01/19 13:15
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
1pt
0pt
809名前を書き忘れた受験生 2024/01/26 10:24
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
810名前を書き忘れた受験生 2024/01/26 10:24
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
825名前を書き忘れた受験生 2024/02/02 16:36
受験はゲームです、メタゲームです。作問者の意図を読み取れないといけません。国語力がない人は落とされます。一つに定まるかどうかではありません。得点になるように答案を作っていくのです。得点は大学が与えます。
受験はゲームです、メタゲームです。作問者の意図を読み取れないといけません。国語力がない人は落とされます。一つに定まるかどうかではありません。得点になるように答案を作っていくのです。得点は大学が与えます。
10pt
0pt
828名前を書き忘れた受験生 2024/02/03 06:54
>>827
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>827
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
829名前を書き忘れた受験生 2024/02/03 06:56
>>825
まさにその通り!
ここで、「説明ない」を繰り返してる奴、アホちゃう?
そんなアホを落とすための問題だから、わざわざ阪大が説明するわけないやん
>>825
まさにその通り!
ここで、「説明ない」を繰り返してる奴、アホちゃう?
そんなアホを落とすための問題だから、わざわざ阪大が説明するわけないやん
0pt
0pt
860名前を書き忘れた受験生 2024/02/12 18:02
スレに反応した時点で負けだよ
「説明ない」を連呼していた「阪大パトロール(阪大生)」は、試験(フィードバック含む)で忙しいみたい
スレに反応した時点で負けだよ
「説明ない」を連呼していた「阪大パトロール(阪大生)」は、試験(フィードバック含む)で忙しいみたい
0pt
0pt
865名前を書き忘れた受験生 2024/02/13 00:27
英語と数学やっとけって感じやけど春休みは中学生らしくまだ遊んどいた方がいい
学校で数学の網羅系参考書(チャート等)とか英単語帳配られてからその2つやっときゃ大丈夫
英語と数学やっとけって感じやけど春休みは中学生らしくまだ遊んどいた方がいい
学校で数学の網羅系参考書(チャート等)とか英単語帳配られてからその2つやっときゃ大丈夫
0pt
0pt
871名前を書き忘れた受験生 2024/02/21 08:47
>>869
これ?
*ttps://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2024/02/20_2
>>869
これ?
*ttps://www.osaka-u.ac.jp/ja/news/topics/2024/02/20_2
1pt
0pt
872名前を書き忘れた受験生 2024/02/21 08:50
>>870
『大阪大学は1月、ホームページに「多くのハラスメント事象が起き、それに対応しきれなかったことを深く謝罪いたします」とするコメントを掲載しました。
4人の助教はすでに全員退職していて、処分は受けていないということです。』
退職したら処分されないのか?退職金も支払われるのでしょうか?
>>870
『大阪大学は1月、ホームページに「多くのハラスメント事象が起き、それに対応しきれなかったことを深く謝罪いたします」とするコメントを掲載しました。
4人の助教はすでに全員退職していて、処分は受けていないということです。』
退職したら処分されないのか?退職金も支払われるのでしょうか?
5pt
0pt
873名前を書き忘れた受験生 2024/02/21 11:37
どこの大学でも多くのハラスメントは存在する
しかし、それを認めていない大学の方が多い
知り合いが京大の院に行ってたけど教授のパワハラがひどくて1年で他私大の院を受験し直した
京大のその研究室は女子の飛び降り未遂騒ぎもあり教授のパワハラは日常化していた
そして残念なことに、今もその現状は変わっていない
どこの大学でも多くのハラスメントは存在する
しかし、それを認めていない大学の方が多い
知り合いが京大の院に行ってたけど教授のパワハラがひどくて1年で他私大の院を受験し直した
京大のその研究室は女子の飛び降り未遂騒ぎもあり教授のパワハラは日常化していた
そして残念なことに、今もその現状は変わっていない
0pt
0pt
875名前を書き忘れた受験生 2024/02/21 21:54
>>873
ニュースになるくらいだから、よほどの事ですよね
認めない大学があるのかは知らないが、認めてるから良い訳ではないよね
それに退職してるから、終わりにしちゃダメだよね
他大学の話を持ち出して、この問題から話を逸らしちゃいけないでしょ
対象の大学スレで議論すればよい事でしょ
あなたは阪大関係者ですよね
>>873
ニュースになるくらいだから、よほどの事ですよね
認めない大学があるのかは知らないが、認めてるから良い訳ではないよね
それに退職してるから、終わりにしちゃダメだよね
他大学の話を持ち出して、この問題から話を逸らしちゃいけないでしょ
対象の大学スレで議論すればよい事でしょ
あなたは阪大関係者ですよね
5pt
0pt
876名前を書き忘れた受験生 2024/02/21 22:08
>>873
間接的に聞いた話を公の場で発言する場合は、真偽を確認してからスレした方か良いですよ
最悪、開示請求されるんじゃない?
>>873
間接的に聞いた話を公の場で発言する場合は、真偽を確認してからスレした方か良いですよ
最悪、開示請求されるんじゃない?
10pt
0pt
879名前を書き忘れた受験生 2024/02/22 10:56
>>875
ダサい
ハラスメントはどの大学でもあるとその実例を書き込んだら阪大関係者と決めつける
そんな思考回路しかないのかね?
>>875
ダサい
ハラスメントはどの大学でもあるとその実例を書き込んだら阪大関係者と決めつける
そんな思考回路しかないのかね?
0pt
0pt
880名前を書き忘れた受験生 2024/02/22 11:06
>>876
知り合いが京大の院に行ってたけど教授のパワハラがひどくて1年で他私大の院を受験し直した
京大のその研究室は女子の飛び降り未遂騒ぎもあり教授のパワハラは日常化していた
そして残念なことに、今もその現状は変わっていない
以上、すべて事実
その知り合い本人から聞いた事を書き込んでるだけ
これで開示請求したいならどうぞ!
ひとつ言っておくと、阪大アゲ京大サゲをしたいわけではなく、どの大学でもアカハラは日常的にあること、それを認めない大学も多いことが問題であると示しただけ
逆に、このスレを初めとしてどうしても阪大サゲをしたい人がいるのは事実
あなた風に解釈すれば、
あなたは阪大落ちで阪大を恨んでいると、こういう解釈になるのかな笑
>>876
知り合いが京大の院に行ってたけど教授のパワハラがひどくて1年で他私大の院を受験し直した
京大のその研究室は女子の飛び降り未遂騒ぎもあり教授のパワハラは日常化していた
そして残念なことに、今もその現状は変わっていない
以上、すべて事実
その知り合い本人から聞いた事を書き込んでるだけ
これで開示請求したいならどうぞ!
ひとつ言っておくと、阪大アゲ京大サゲをしたいわけではなく、どの大学でもアカハラは日常的にあること、それを認めない大学も多いことが問題であると示しただけ
逆に、このスレを初めとしてどうしても阪大サゲをしたい人がいるのは事実
あなた風に解釈すれば、
あなたは阪大落ちで阪大を恨んでいると、こういう解釈になるのかな笑
1pt
0pt
882名前を書き忘れた受験生 2024/02/22 11:36
長年「説明ない」を連投していたクソスレが、おさまってたのに!
くだらないスレに引っかかるな!
そして...おじさんはスレするな!
長年「説明ない」を連投していたクソスレが、おさまってたのに!
くだらないスレに引っかかるな!
そして...おじさんはスレするな!
0pt
0pt
890名前を書き忘れた受験生 2024/02/23 20:48
>>881
阪大が説明するまでもなく、
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
以下、「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
ーーー!ーーーーーーー!ーーーーー!ーーーーー!ーーーーー
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>881
阪大が説明するまでもなく、
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
以下、「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
ーーー!ーーーーーーー!ーーーーー!ーーーーー!ーーーーー
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
891名前を書き忘れた受験生 2024/02/23 20:51
受験生は、「説明ない」を繰り返すだけの落武者にならんようにねー
出題ミスではないと解説してくれているサイトを参考にして合格できる知識をつけてね!
受験生は、「説明ない」を繰り返すだけの落武者にならんようにねー
出題ミスではないと解説してくれているサイトを参考にして合格できる知識をつけてね!
0pt
0pt
907名前を書き忘れた受験生 2024/02/25 20:49
>>905
阪大が説明するまでもなく、
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
以下、「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
ーーー!ーーーーーーー!ーーーーー!ーーーーー!ーーーーー
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
>>905
阪大が説明するまでもなく、
東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
以下、「楽ちん化学 原子の恋の物語 高校化学をわかりやすく解説」サイトより
ーーー!ーーーーーーー!ーーーーー!ーーーーー!ーーーーー
2022年の阪大化学の入試問題が出題ミスであると問題になっているようなので検討してみる。
問題文を整理してみると以下のようになる(KとLは問題文中には無いが仮に命名する)。
A → E + I (加水分解)
B → E + J (加水分解)
C → F + K (加水分解)
D → F + L (加水分解)
E → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
F → G → H (酸化、分子内脱水縮合)
分子内脱水縮合で思い浮かぶのは無水マレイン酸と無水フタル酸である。Hは分子量が148なので無水フタル酸であることがわかる。
Eはアニリンと脱水縮合するのでカルボン酸であると思われる。生成物の元素分析より、窒素原子がアニリン由来の1個(14)だけでであるとすると炭素原子が14個(168)、水素原子が13個(13)、酸素原子が1個(16)と計算される。これに水分子を加えてアニリン分子を引くとEの分子式はC8H8O2と求められる。Eは酸化するとGのフタル酸になるので2-メチル安息香酸である。
Eは1価のカルボン酸、Gは2価のカルボン酸なので、ナトリウムと反応してそれぞれ半量と同量の水素を発生する。
2R-COOH + 2Na → 2R-COONa + H2
一方Fの反応生成物は水と反応してFに戻るのでナトリウムアルコキシドである。
2R-OH + 2Na → 2R-ONa + H2
R-ONa + H2O → R-OH + NaOH
酸化するとフタル酸になるのでFは2-メチルベンジルアルコールと思われる。
Jはヨードホルム反応を示さないので3級アルコールと考えられ、2-メチル-2-プロパノールと思われる。異性体でヨードホルム反応を示すIは1-メチル-1-プロパノールと思われる。
KとLはカルボン酸で、Kは直鎖、Lは枝分かれがあることからそれぞれ酪酸とイソ酪酸(2-メチルプロパン酸)と思われる。
問1 (a)の結果から化合物Aの分子式を示せ。
という設問だが、最終的に構造が決まればよいのであわてて元素分析の計算をせずにまず上記のように考えてみよう。
型どおりに計算すると組成式はC6H8Oとなる。ただしEとFを酸化するとフタル酸になることから炭素原子数は8以上となり分子式は組成式の2倍以上となる。EとIを上記とすると、Aの分子式はC12H16O2となりこれで決まり。AからLまでも上記であることが決まる。
分子量の上限が300だと可能な分子式はC12H16O2とC18H24O3で、1つに決まらないことが問題になっているようである。一般に構造決定の問題では可能な異性体を全て考える必要はなく、上記のように設問の条件に合うものを1つ見つければよい。FJKLには上記以外の可能性もあるが、とりあえず簡単なもので考えておいて矛盾しなければよいのである。
分子量の上限を200とすべきところを300としてしまったミスという指摘が多いようだが、分子量に上限がなくても上記のように正解を得られるのでミスではないと思う。
試験問題は順に解かなくてはいけないわけではなく、解るところから手を付ければいい。本問では問題文を詠んだだけでHが無水フタル酸であることが解り、Gがフタル酸であることとナトリウムとの反応式も解る。
分子式が確定できないことにこだわらず、与えられた情報から正解に至る柔軟さを求めるためにあえて分子量の上限を300としたのではないかというのは考え過ぎか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Author:亜吐夢
経歴:東京大学理学部化学科卒・同大学院修了、味の素(株)中央研究所、国立遺伝学研究所、東京大学工学部・同大学院、群馬工業高専、学習院大学、横浜市立大学大学院などで研究・教育に従事。
現在は難関大学・医学部受験生に化学を指導。日本化学会終身会員。
専門:天然物有機化学・蛋白質化学・分子生物学・応用微生物学
著書・訳書:理工学辞典(日刊工業新聞社)、分子細胞生物学辞典(東京化学同人)、医学大辞典(医学書院)、カラー 生化学(西村書店)
0pt
0pt
911名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 10:56
本番直前に見る動画 https://m.youtube.com/watch?v=GdnJrooUUx0&list=PLKXngCLiFHmTboiFAnQQf8jfosz-3SIX6&index=17&pp=iAQB
本番直前に見る動画 https://m.youtube.com/watch?v=GdnJrooUUx0&list=PLKXngCLiFHmTboiFAnQQf8jfosz-3SIX6&index=17&pp=iAQB
17pt
0pt
912名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 12:39
>>907
>>阪大が説明するまでもなく、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
阪大には説明出来る人が居ないってことなの?
>>907
>>阪大が説明するまでもなく、東大院卒で難関大志望の受験生に化学を指導している方が説明しています。
阪大には説明出来る人が居ないってことなの?
0pt
0pt
913名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 12:49
>>912
そうだな「○○の方」は説明するよな
でもな
「○○大学」は説明しないんよ
個人はなんとでも言える
でも法人は個人ではないんや
そこらへん同じ感覚でものを考えん方がええで
>>912
そうだな「○○の方」は説明するよな
でもな
「○○大学」は説明しないんよ
個人はなんとでも言える
でも法人は個人ではないんや
そこらへん同じ感覚でものを考えん方がええで
0pt
9pt
915名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 20:26
大阪大の入学試験で「試験監督が談笑」
受験生ら訴え…
抗議の受験生「阪大入試は一発勝負…
みんな緊張しているのに許せない」
大学側「笑うことはなかった」
再試験行わない方針
大阪大の入学試験で「試験監督が談笑」
受験生ら訴え…
抗議の受験生「阪大入試は一発勝負…
みんな緊張しているのに許せない」
大学側「笑うことはなかった」
再試験行わない方針
4pt
0pt
916名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 20:27
>>915
どう考えても再試験の対象でしょ!・・・個人
再試験はしない!説明もしない!!・・・法人
>>913
>>そこらへん同じ感覚でものを考えん方がええで
>>915
どう考えても再試験の対象でしょ!・・・個人
再試験はしない!説明もしない!!・・・法人
>>913
>>そこらへん同じ感覚でものを考えん方がええで
6pt
0pt
919名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 20:53
阪大は「業務上必要な会話であり声の大きさは試験に影響を及ぼすものではなく、笑うことはなかった」として、再試験は行わない方針です。
ミスは認めないでしょ
残念だけど諦めるしかない
阪大は「業務上必要な会話であり声の大きさは試験に影響を及ぼすものではなく、笑うことはなかった」として、再試験は行わない方針です。
ミスは認めないでしょ
残念だけど諦めるしかない
2pt
0pt
920名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 21:08
ヤフコメより引用
この会場で受けたものです
後ろの方でもハッキリと笑い声や喋り声が聞こえてきました。
また、「近くの人にカンニングされないように気をつけてね(笑)」みたいな発言もされ、完全に受験生のことを舐めているなと感じました。
去年阪大落ちて、親に浪人させてもらって、この1年間この日のために色々なものを犠牲にして頑張ってきたのに試験監督が受験生を舐めてふざけた態度や対応をしていて本当に怒りと呆れの感情が湧いてきました。
現実的に考えて再受験が難しいのは分かります。自分的には阪大に今回のことを認め、ちゃんと謝罪して来年以降受ける生徒が同じ目に合わないようにして欲しいです。
ヤフコメより引用
この会場で受けたものです
後ろの方でもハッキリと笑い声や喋り声が聞こえてきました。
また、「近くの人にカンニングされないように気をつけてね(笑)」みたいな発言もされ、完全に受験生のことを舐めているなと感じました。
去年阪大落ちて、親に浪人させてもらって、この1年間この日のために色々なものを犠牲にして頑張ってきたのに試験監督が受験生を舐めてふざけた態度や対応をしていて本当に怒りと呆れの感情が湧いてきました。
現実的に考えて再受験が難しいのは分かります。自分的には阪大に今回のことを認め、ちゃんと謝罪して来年以降受ける生徒が同じ目に合わないようにして欲しいです。
5pt
0pt
924名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 23:30
>>922
ネット見ろ
●ttps://news.yahoo.co.jp/articles/accb9fbece2102a1ca29688d97464906cde1f41f
談笑といいセクハラといい...
最近の阪大は何してるんだか
>>922
ネット見ろ
●ttps://news.yahoo.co.jp/articles/accb9fbece2102a1ca29688d97464906cde1f41f
談笑といいセクハラといい...
最近の阪大は何してるんだか
0pt
0pt
925名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 23:33
>>923
そんな言い方はおかしくない?
阪大に入るために、今日までどれだけ頑張ってきたのか
受験生の気持ちがわからないですか?
再試験は難しいとは思いますが、十人が訴えているのだから謝罪の一つもあっていいんじゃない?
>>923
そんな言い方はおかしくない?
阪大に入るために、今日までどれだけ頑張ってきたのか
受験生の気持ちがわからないですか?
再試験は難しいとは思いますが、十人が訴えているのだから謝罪の一つもあっていいんじゃない?
0pt
0pt
929名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 23:42
>>925
去年受験して、阪大に合格したから言ってる
試験監督が談笑してようが、合格するやつは合格する
「談笑のせいで、集中力が途切れた!」
「再受験実施しろ!」って言ってる奴は、そもそも合格できない奴らなんよ
>>925
去年受験して、阪大に合格したから言ってる
試験監督が談笑してようが、合格するやつは合格する
「談笑のせいで、集中力が途切れた!」
「再受験実施しろ!」って言ってる奴は、そもそも合格できない奴らなんよ
0pt
0pt
931名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 23:45
>>927
聞き取り調査の結果、必要最低限の業務上の会話であり笑ってはいなかったと、大学側は説明してるんだよね?
できない受験生が難癖つけてるようにも思えるし、実際、どうかはわからんね
>>927
聞き取り調査の結果、必要最低限の業務上の会話であり笑ってはいなかったと、大学側は説明してるんだよね?
できない受験生が難癖つけてるようにも思えるし、実際、どうかはわからんね
0pt
0pt
935名前を書き忘れた受験生 2024/02/26 23:59
法学部の国語の試験中の話やろ?
国語の問題を必死で読んでんのに、試験監督の声が気になる???
あのでかい教室で抗議したのが、たった10人やろ?
ほんまにうるさいんやったら、試験中に抗議すべき
試験後に抗議って、それこそ試験ができんかった受験生が難癖つけてるだけやん
法学部の国語の試験中の話やろ?
国語の問題を必死で読んでんのに、試験監督の声が気になる???
あのでかい教室で抗議したのが、たった10人やろ?
ほんまにうるさいんやったら、試験中に抗議すべき
試験後に抗議って、それこそ試験ができんかった受験生が難癖つけてるだけやん
0pt
0pt
936名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:00
法学部だろ?
どうせコネと権力でおままごとやってる連中が天下り教授なったりする世界だし
たぶんあれだろ、受験生が試験中に内容に関して質問してしまって、それに対して「ばかばかしい」さらには教授陣たちで共有しさらに馬鹿にして笑ってたんだろ
ひでぇよな、やっぱ権力で成り立ってる科学のかけらもない世界の連中からすれば受験生なんてゴミでどうせ見下してるんだろ
まあ彼ら法学政治学の奴らは「試験(司法試験・国家公務員試験)」でオナニーしてただけで成り上がれる世界だからな
今回の件もどうせ「揉み消す」んだろうなあ
法学部だろ?
どうせコネと権力でおままごとやってる連中が天下り教授なったりする世界だし
たぶんあれだろ、受験生が試験中に内容に関して質問してしまって、それに対して「ばかばかしい」さらには教授陣たちで共有しさらに馬鹿にして笑ってたんだろ
ひでぇよな、やっぱ権力で成り立ってる科学のかけらもない世界の連中からすれば受験生なんてゴミでどうせ見下してるんだろ
まあ彼ら法学政治学の奴らは「試験(司法試験・国家公務員試験)」でオナニーしてただけで成り上がれる世界だからな
今回の件もどうせ「揉み消す」んだろうなあ
0pt
0pt
945名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:08
>>939
色んな記事読んでる?
MBSの記事には「試験監督を務めていた法学部の教授らが会場内で対応を協議していた」と記載されてるよ
>>939
色んな記事読んでる?
MBSの記事には「試験監督を務めていた法学部の教授らが会場内で対応を協議していた」と記載されてるよ
0pt
0pt
949名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:14
>>946
●ttps://news.yahoo.co.jp/articles/29d307d380614ea6d67dfc3ba8988753a3825eb9
記事すら探せないの?
>>946
●ttps://news.yahoo.co.jp/articles/29d307d380614ea6d67dfc3ba8988753a3825eb9
記事すら探せないの?
0pt
0pt
950名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:15
国語の問題、必死で解いてる時に試験監督の談笑なんか気になる?
自分の人生が決まるのに。
それって自分の集中力の問題じゃないの?
その教室のほとんどの人間が抗議してるならわかるけど、そうじゃないんでしょう?
国語の問題、必死で解いてる時に試験監督の談笑なんか気になる?
自分の人生が決まるのに。
それって自分の集中力の問題じゃないの?
その教室のほとんどの人間が抗議してるならわかるけど、そうじゃないんでしょう?
0pt
0pt
953名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:19
>>950
前列の席とかやったら目の前が教壇でセンセがいたりするよ
それと集中力をその人個人の問題し落とし込むのも良くない
周りの環境があってその集中力がつくられるんだから
でしょ?なんで自習室行くの?なんで良い学校行くの?
環境が良いからでしょ
>>950
前列の席とかやったら目の前が教壇でセンセがいたりするよ
それと集中力をその人個人の問題し落とし込むのも良くない
周りの環境があってその集中力がつくられるんだから
でしょ?なんで自習室行くの?なんで良い学校行くの?
環境が良いからでしょ
0pt
0pt
955名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:24
>>953
何、言ってんだか!
集中力は個人の問題やろ
腹が痛くて途中トイレ退席2回しても合格した奴もいるのに
言い訳してんじゃねーよ
こういう奴に限って、落ちたら、試験監督のせいとか言い出すんだろーな
>>953
何、言ってんだか!
集中力は個人の問題やろ
腹が痛くて途中トイレ退席2回しても合格した奴もいるのに
言い訳してんじゃねーよ
こういう奴に限って、落ちたら、試験監督のせいとか言い出すんだろーな
0pt
0pt
956名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:25
>>952
再受験はたしかに難しいし措置として事が大きすぎる
でもやっぱ「笑った事実は無かった」とか大学側が言ったら
もうそれは権力関係的に大学側が勝ってしまうのもまた事実であって
限りなくブラックボックスの環境でこんな問題が起きたら
受験生負けますよそんなの
だから再試験は無いにしても
来年度から試験会場にカメラ設置するとか??
それなりの対応すべきでしょ??
それと教授陣は正直に白状しなさい
>>952
再受験はたしかに難しいし措置として事が大きすぎる
でもやっぱ「笑った事実は無かった」とか大学側が言ったら
もうそれは権力関係的に大学側が勝ってしまうのもまた事実であって
限りなくブラックボックスの環境でこんな問題が起きたら
受験生負けますよそんなの
だから再試験は無いにしても
来年度から試験会場にカメラ設置するとか??
それなりの対応すべきでしょ??
それと教授陣は正直に白状しなさい
2pt
0pt
957名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:29
「ばかばかしい」とか法学部(政治学系含む)の教授ってのが
やっぱなあ(笑)醜い!
この学問系ってやってる俺凄いんじゃねって勘違いしちゃうからなあ(笑)醜い!
「ばかばかしい」とか法学部(政治学系含む)の教授ってのが
やっぱなあ(笑)醜い!
この学問系ってやってる俺凄いんじゃねって勘違いしちゃうからなあ(笑)醜い!
0pt
0pt
959名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:32
>>956
カメラ設置ってw
その費用はどこから?
そんな費用があるなら研究とか使いたいとこあるやろw
普通に、厳重注意でええやろ
聴き取り調査されただけで、それなりの圧にはなってるから
来年以降、そんなことはなくなるわ
ニュースにもなったしな
>>956
カメラ設置ってw
その費用はどこから?
そんな費用があるなら研究とか使いたいとこあるやろw
普通に、厳重注意でええやろ
聴き取り調査されただけで、それなりの圧にはなってるから
来年以降、そんなことはなくなるわ
ニュースにもなったしな
0pt
0pt
960名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:34
>>958
バカはそっち笑笑
いちいち記事を探して読むほど暇じゃないっていう意味やとわからん?
いろんな記事探して読んでるやつってほんま暇よな笑笑
>>958
バカはそっち笑笑
いちいち記事を探して読むほど暇じゃないっていう意味やとわからん?
いろんな記事探して読んでるやつってほんま暇よな笑笑
0pt
0pt
964名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:43
>>959
いやいやw
厳重注意とか聞き取り調査とかニュースとか
そんなもので済ましてるから汚職はなくならないんですよ
そもそも彼ら教授はニュースとかの評判で評価されるんですか?
その評価が落ちたからそれなりのダメージはあったと?
いやいやw
教授は業績で評価されるんでしょうよ
評判とかニュースがとかで決まる、そんなのが学問でしょうか?
ああ確かに法学政治学系のコネ権力連中はそうかも知れませんね
今回も法学部の教室でしたか、お察しです
再犯防止は科学的であるべきです
個人に対する注意なんて無意味です
だから来年度からはカメラ設置です!絶対です!これしかありません!
>>959
いやいやw
厳重注意とか聞き取り調査とかニュースとか
そんなもので済ましてるから汚職はなくならないんですよ
そもそも彼ら教授はニュースとかの評判で評価されるんですか?
その評価が落ちたからそれなりのダメージはあったと?
いやいやw
教授は業績で評価されるんでしょうよ
評判とかニュースがとかで決まる、そんなのが学問でしょうか?
ああ確かに法学政治学系のコネ権力連中はそうかも知れませんね
今回も法学部の教室でしたか、お察しです
再犯防止は科学的であるべきです
個人に対する注意なんて無意味です
だから来年度からはカメラ設置です!絶対です!これしかありません!
0pt
0pt
972名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:49
>>966
それ、ブーメランやんwww
自分はもう合格してるねん、残念やったなww
来年は合格するように祈っとったるわw
>>966
それ、ブーメランやんwww
自分はもう合格してるねん、残念やったなww
来年は合格するように祈っとったるわw
0pt
0pt
975名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:52
>>971
それ、ブーメランやんwww
自分はもう合格してるねん、残念やったなww
来年は合格するように祈っとったるわw
返信ミスしたから訂正な!
>>971
それ、ブーメランやんwww
自分はもう合格してるねん、残念やったなww
来年は合格するように祈っとったるわw
返信ミスしたから訂正な!
0pt
0pt
976名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:53
いやだからね
・試験監督に対する聞き取り調査(厳重注意があってもいいよ)
・謝罪とカメラ設置の約束
どっちが科学的で生産的で受験料や学費も払うことになる受験生のためになりますかって言ってるの
答えは明らかでしょうが
いやだからね
・試験監督に対する聞き取り調査(厳重注意があってもいいよ)
・謝罪とカメラ設置の約束
どっちが科学的で生産的で受験料や学費も払うことになる受験生のためになりますかって言ってるの
答えは明らかでしょうが
1pt
0pt
983名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 00:57
>>976
世間知らずなの?
謝罪とカメラ設置の約束なんてするわけないでしょーが。
科学的で生産的?
どのへんが?
そんな意見通るわけないやん。
>>976
世間知らずなの?
謝罪とカメラ設置の約束なんてするわけないでしょーが。
科学的で生産的?
どのへんが?
そんな意見通るわけないやん。
0pt
0pt
986名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 01:00
>>977
個人情報保護的には問題ないでしょ
街なかやコンビニ、至る所に防犯カメラだらけだし
大学に設置となると、やはり費用面の問題があるよね
>>977
個人情報保護的には問題ないでしょ
街なかやコンビニ、至る所に防犯カメラだらけだし
大学に設置となると、やはり費用面の問題があるよね
3pt
0pt
988名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 01:00
で、結局、実質的な被害は何?
それで不合格になったら、どうにかしろとか?
再受験実施しろとか?
そんなことを主張している受験生はそもそも合格できない実力のない受験生でしょ
で、結局、実質的な被害は何?
それで不合格になったら、どうにかしろとか?
再受験実施しろとか?
そんなことを主張している受験生はそもそも合格できない実力のない受験生でしょ
0pt
0pt
993名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 01:06
>>990
それに>>987で費用の問題に対してもアイデアを提示してる
私は今回の大学の愚かというべき対応以上に遥かに真っ当な対応策を言っている!
>>990
それに>>987で費用の問題に対してもアイデアを提示してる
私は今回の大学の愚かというべき対応以上に遥かに真っ当な対応策を言っている!
0pt
0pt
998名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 01:08
>>988
試験結果は出てないし、当否もまだだよね
実質被害と言うより、入試時間中に試験監督達の笑談についてメディアが記事にしてるんでしょ
大学は否定してるけど
まあ、モラルの問題でしょ
数日たったら、謝罪するんじゃない?
>>988
試験結果は出てないし、当否もまだだよね
実質被害と言うより、入試時間中に試験監督達の笑談についてメディアが記事にしてるんでしょ
大学は否定してるけど
まあ、モラルの問題でしょ
数日たったら、謝罪するんじゃない?
0pt
0pt
1000名前を書き忘れた受験生 2024/02/27 01:10
>>994
そういう侮辱を含めた返しはやめた方がいいよひろゆきみたい
それで、できない?そうは思えないけど
三脚に立ててやればいいじゃん
7人も試験監督いたんでしょ?
今のスマホで容量足りないなんて問題はないと思うけど
>>994
そういう侮辱を含めた返しはやめた方がいいよひろゆきみたい
それで、できない?そうは思えないけど
三脚に立ててやればいいじゃん
7人も試験監督いたんでしょ?
今のスマホで容量足りないなんて問題はないと思うけど
0pt
0pt
関連トピック
掲示板TOPへ戻る