古典文法のお勉強 - 国語
14名前を書き忘れた受験生
2016/11/03 00:11
今は昔、竹取の翁(おきな)といふ者ありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきの造(みやつこ)となむ言ひける。その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりて
寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。翁言ふやう、「我、朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて、知りぬ。子となり給ふべき人なめり」とて、手にうち入れて家へ持ちて来ぬ。妻(め)の嫗(おうな)に預けて養はす。うつくしきことかぎりなし。いと幼ければ籠(こ)に入れて養ふ。 竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけてのちに竹取るに、節を隔ててよごとに金(こがね)ある竹を見つくること重なりぬ。かくて翁やうやう豊かになりゆく。
この児(ちご)、養ふほどに、すくすくと大きになりまさる。三月(みつき)ばかりになるほどに、よきほどなる人になりぬれば、髪上げなどさうして、髪上げさせ、裳(も)着す。帳のうちよりも出(い)ださず、いつき養ふ。この児のかたちけうらなること世になく、屋(や)のうちは暗き所なく光満ちたり。翁、心地あしく苦しき時も、この子を見れば、苦しきこともやみぬ。腹立たしきことも慰みけり。翁、竹を取ること久しくなりぬ。いきほひ猛(まう)の者になりけり。
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今は昔、竹取の翁(おきな)といふ者ありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきの造(みやつこ)となむ言ひける。その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりて
寄りて見るに、筒の中光りたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。翁言ふやう、「我、朝ごと夕ごとに見る竹の中におはするにて、知りぬ。子となり給ふべき人なめり」とて、手にうち入れて家へ持ちて来ぬ。妻(め)の嫗(おうな)に預けて養はす。うつくしきことかぎりなし。いと幼ければ籠(こ)に入れて養ふ。 竹取の翁、竹を取るに、この子を見つけてのちに竹取るに、節を隔ててよごとに金(こがね)ある竹を見つくること重なりぬ。かくて翁やうやう豊かになりゆく。
この児(ちご)、養ふほどに、すくすくと大きになりまさる。三月(みつき)ばかりになるほどに、よきほどなる人になりぬれば、髪上げなどさうして、髪上げさせ、裳(も)着す。帳のうちよりも出(い)ださず、いつき養ふ。この児のかたちけうらなること世になく、屋(や)のうちは暗き所なく光満ちたり。翁、心地あしく苦しき時も、この子を見れば、苦しきこともやみぬ。腹立たしきことも慰みけり。翁、竹を取ること久しくなりぬ。いきほひ猛(まう)の者になりけり。


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