【前期A日程(文系) 1/28】2017年近大入試解答速報掲示板 - 近畿大学掲示板
【前期A日程(文系) 1/28】2017年近大入試解答速報掲示板
0名前を書き忘れた受験生 2017/01/15 22:21 15950view
【前期A日程(文系) 1/28】2017年近大入試解答速報掲示板
入試日 1月28日
合格発表 2月8日
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51名前を書き忘れた受験生 2017/01/29 23:09
>>36
日本史の解答
1 2423413214
2 1341231143
3 4312?44233
4 3231434143
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日本史の解答
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3 4312?44233
4 3231434143
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32名前を書き忘れた受験生 2017/01/28 23:35
とりかへばや物語
その部屋は少し奥まったところにあった。小さめの寝殿で、ことに簡素に
してあるのも見所があり、心を配って暮らしている人の住まいだと一目で分
かった。内も外もひっそりとして人気もせず、水に映った月ばかりが輝いて
いる。こういう場所でいつもしみじみと物思いに耽る姫君達の心境はどうで
あろうかと、中納言は気の毒に思った。唐土風でそっけなく、日本独特の深
い情緒などは理解しないかもしれないと推測するにつけ、好奇心がかきたて
られるが、人声もしないので次のような歌を詠んだ。
吉野山うき世背きに来しかども
こと問ひかくる音だにもせず
(吉野山に憂き世を背く為にやってきましたが、
言葉を掛けてくれる人がいないようです)
「……とても辛い事です」
涙をこぼす様子が、実に懐かしくあわれであった。都でさえ、類なく素晴
らしい方だと恋焦がれる女性が多いのに、まして普通の男でさえ見馴れてい
ない姫君達にとっては、どうしようもないほど心が乱れたが、返事をする侍
女もいないので、恥ずかしく具合悪く思っていた。だがこのまま黙っている
のも失礼なので、姉宮が少しいざり寄って歌を返した。
絶えず吹く峰の松風我ならで
いかにと言はむ人影もなし
(絶えず吹いている峰の松風の他には、
呼びかける声もありません)
仄かな気配がとても上品で、こちらが気後れしてしまいそうなほど趣があ
る。心憎いほど美しく、都にもこれほどの人はいないだろう。中納言は姉妹
のどちらが答えたかが気になった。
大方に松の末吹く風の音を
いかにと問ふ静心なし
(松の梢を吹く風の音と思うと、
言葉を掛けてくれたのがどちらの方が尋ねるだけでも心が騒ぎます)
中納言の態度は、よくあるような色めいたものではないが、ただしみじみ
と心を込めて、吉野山を訪れた事情を親しげに話すので、少し馴れてきたの
か折々に姫君達は深く頷く様子である。その優美な気配や心遣いを見ている
と、中納言は「私の妻にする事は出来ないが、宰相中将がこのような優れた
女性がいると知ったら、どれほど驚き熱中する事であろう」と思い出され、
思わず微笑んでしまうのであった。
とりかへばや物語
その部屋は少し奥まったところにあった。小さめの寝殿で、ことに簡素に
してあるのも見所があり、心を配って暮らしている人の住まいだと一目で分
かった。内も外もひっそりとして人気もせず、水に映った月ばかりが輝いて
いる。こういう場所でいつもしみじみと物思いに耽る姫君達の心境はどうで
あろうかと、中納言は気の毒に思った。唐土風でそっけなく、日本独特の深
い情緒などは理解しないかもしれないと推測するにつけ、好奇心がかきたて
られるが、人声もしないので次のような歌を詠んだ。
吉野山うき世背きに来しかども
こと問ひかくる音だにもせず
(吉野山に憂き世を背く為にやってきましたが、
言葉を掛けてくれる人がいないようです)
「……とても辛い事です」
涙をこぼす様子が、実に懐かしくあわれであった。都でさえ、類なく素晴
らしい方だと恋焦がれる女性が多いのに、まして普通の男でさえ見馴れてい
ない姫君達にとっては、どうしようもないほど心が乱れたが、返事をする侍
女もいないので、恥ずかしく具合悪く思っていた。だがこのまま黙っている
のも失礼なので、姉宮が少しいざり寄って歌を返した。
絶えず吹く峰の松風我ならで
いかにと言はむ人影もなし
(絶えず吹いている峰の松風の他には、
呼びかける声もありません)
仄かな気配がとても上品で、こちらが気後れしてしまいそうなほど趣があ
る。心憎いほど美しく、都にもこれほどの人はいないだろう。中納言は姉妹
のどちらが答えたかが気になった。
大方に松の末吹く風の音を
いかにと問ふ静心なし
(松の梢を吹く風の音と思うと、
言葉を掛けてくれたのがどちらの方が尋ねるだけでも心が騒ぎます)
中納言の態度は、よくあるような色めいたものではないが、ただしみじみ
と心を込めて、吉野山を訪れた事情を親しげに話すので、少し馴れてきたの
か折々に姫君達は深く頷く様子である。その優美な気配や心遣いを見ている
と、中納言は「私の妻にする事は出来ないが、宰相中将がこのような優れた
女性がいると知ったら、どれほど驚き熱中する事であろう」と思い出され、
思わず微笑んでしまうのであった。
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