医学部の闇 - 医学部受験

医学部の闇

2022/02/25 14:27 　2944view

もう20年近く前になるが、私は3浪し地方私立医学部に受かった。

もともと英語以外はそれなりにできていて、2浪目終了時点では大手私大模試では偏差値数学65-75、化学65-70、生物55-60、英語30程度だった。3科目受験が出来た帝京なんかはいつもB* A判定だった。
英語以外に関しては自分と同レベルの人達は皆私立下位*中堅医学部に受かっていた。
なまじ英語以外がそれなりにできてしまうせいで、予備校の人達からも「できる人」という認識を持たれていて、自分もいつの間にか自信やプライドが身についていた。
そのプライドがあったせいで、3浪目は心が追い込まれてしまう。英語だけ伸ばせば私立中堅医学部までなら受かるわけだが、全く英語が伸びない。英語の勉強はとても地味で、とても眠く、結果も全然ついてこず、とても苦痛だった。元々楽天家みたいな性格だった私だが、次第に情緒不安定になり、全く受かる気がしないこの現場に涙が溢れてくることも多かった。
おそらく私の3浪目初期の英語は中2.3あたりのレベルで、これを医学部レベルまで上げるのは大変なのだ。英語という科目の特性上、なかなか伸びない。
最後の大手センター模試で英語の偏差値が初めて40を越えた。正直、絶望だった。医学部過去問の英語は2.3割しか取れない。
しかし他の科目が圧倒的にできるため、いつも私は予備校ではエース扱いをうける。

先に受かったのは同じ予備校に現役女子高生だった。彼女の偏差値は数学50、化学50、生物60、英語70。それで英語の配点が2倍の地方私立医学部に正規合格したのだ。
私の心はもうズタズタだった。英語以外では相手にもならない者が正規合格。数学や化学にずっとプライドを持っていたのにそれを全否定された。それほど受験において英語は重要なんだと思い知らされた。
ボロボロのメンタルで残りの受験をしたが、最後に受けた一校(地方私立医学部)だけ一次試験に通った。全ての希望をかけて2次試験の小論文の勉強と面接の練習をして望んだ。
が、ダメ。2次試験合格発表に私の受験番号はなかった。ボロボロのメンタルで4浪目の予備校を探すことに。どこの予備校の入塾試験でも特待を受けれる点数をとった。(実際は特待は現役か一浪までしかなれないとのこと)

3月末になり突然一次試験に受かった大学から繰り上げ合格の知らせが届いた。
私は飛び上がって喜んだ。こんなに嬉しかったことは人生になかった。自分を拾ってくれたこの大学に一生の忠誠を誓おうと心に決めた。

これは卒業後に親から言われたのだが、入学の条件として学費とは別に5000万円を電話で要求されていたとのこと。
今の時代は東医の問題もありどうなっているのか分からないが、これは私立医学部では割とよくある話だった。あぁ、、自分もか。。医学部って本当に汚いなぁ。酷いなぁ。親の職業みて後のない受験生の弱みにつけこんで。。

入学後私はすぐにちょっと理不尽に留年することになり、大学が嫌いになる。
大学時代は医学部の勉強に苦労する。どうやら私は地頭があまりよくないことを痛感する。人と同じくらいの勉強では人並みの点数がとれないのだ。だから周りが10勉強するなら15やるようにした。だが、5年生になる頃には周りも沢山勉強し始めるため、徐々に学内順位は落ちていった。この頃もかなりメンタルが追い込まれたが卒業試験は本当にギリギリ受かった。
下位私立医学部は進級に本当にシビアなのだ。国立組は元々地頭が優秀なので留年させなくても大丈夫だが、底辺医学部は入学してからも大変だ。

現在は医師になりそれなりに経験をつんで、専門医の資格もとり、安定した生活を送っている。

受験期になり、ふと苦労した過去を思い返して投稿してみた。